掲載日 : [22-07-27] 照会数 : 12231
在日3世の許ミミが初優勝…柔道グランドスラム女子
[ 監督と抱き合って喜ぶ許ミミ ]
[ 国際大会で初めて世界の頂点に立った許ミミ ]
[ 決勝戦でパウリーネ・スターク(ドイツ)を相手に内股で技ありを奪った ]
在日3世の女子柔道選手がこのほど、国際大会で優勝していたことがわかった。活躍する在日3世たちのパワーに8月の世界ジュニアと2年後のパリ五輪に向け、「第2の安昌林」をめざし、意気込みを見せている。
6月5日までの3日間、ジョージアで開催された柔道の2022年グランドスラム・トビリシ国際大会で在日3世の許ミミ選手(19)が、女子57キロ級で世界の強豪を破り、世界の頂点に立った。ジュニアとシニアを通じて国際大会での優勝は初めてとなる。
許ミミはシニア大会としては初めて出場し、準々決勝で2016リオ五輪金メダリストのラファエラ・シルバ(ブラジル)を破り、準決勝では世界ランキング4位のエテリ・リパルテリアニ(ジョージア)を背負い投げの技ありと反則で一本勝ちし、決勝戦に進出した。
決勝戦では世界ランキング17位のパウリーネ・スターク(ドイツ)を相手に内股で技ありを奪って金メダルを獲得した。
国際大会初優勝を飾った許ミミは「指導してくれたキム・ジョンフン監督と訓練を支えていただいた慶北体育会のメンバーに感謝したい」として「8月に開かれる世界ジュニア選手権でも良い成績を出し、2024パリ五輪で金メダルをめざしたい」と次への意気込みを語った。
慶北体育会のキム・ジョンフン柔道チーム監督は「正直、予想以上の力を発揮して良い成果を残したことに感謝している。8月の世界ジュニア選手権(エクアドル)と2年後のパリ五輪でも活躍できるよう練習に万全を期したい」と話した。
父と祖父の故郷が慶北軍威の許ミミは、高校2年だった2019年6月に慶尚南道の慶山で開かれた韓国ジュニア選手権で優勝し、韓国代表入りした。祖母は民団江戸川支部・婦人会の会長を歴任した。
その年の7月、国際大会デビューとなる2019アジア・太平洋ジュニア選手権(台北)で3位となった。また、同年10月の2019世界ジュニア選手権(モロッコ)では、同じ在日3世の高校3年生、金知秀選手と3位決定戦で惜敗し5位となった。
昨年、帝京高校を卒業後、韓国の慶尚北道体育会に所属を置いて訓練に励んでいた。今回のグランドスラム優勝など、急成長を見せており、2年後のパリ五輪で韓国女子柔道の期待株として注目されている。