掲載日 : [22-08-08] 照会数 : 5758
ヘイトスピーチに罰則規定を…民団3団体が本村相模原市長と面談
[ 本村相模原市長(右から2人目)に要望書を手渡す民団中央人権擁護委員会の李根茁委員長 ]
「人権条例」反映求める
【神奈川】相模原市がヘイトスピーチを規制する「人権条例」の制定を目指しているのに対し、民団は8日、「川崎市差別のない人権尊重のまちづくり条例」以上の実効性のある罰則規定を盛り込むよう本村賢太郎市長に要望した。併せて審議会で人権条例について議論している韓国籍女性委員に向けられた誹謗中傷に対し、加害者に毅然とした姿勢をとるよう求めた。
2019年の相模原市議選。極右政治団体「日本第一党」の桜井誠党首は同党候補者の応援演説に立ち、「規制の法律や条例を作った人間を木の上からぶら下げる」「選挙権がない朝鮮人は帰れ」などとヘイトスピーチを重ねた。罰則付きの川崎市ヘイトスピーチ規制条例でも、政党の街宣活動という名目上では公道や公共施設の使用禁止命令は出せない。法の抜け道を通って排外活動するのを黙って見守るだけだ。
韓国籍審議委員も標的に
「日本第一党」は23年の統一地方選でも相模原市議選に候補者を擁立すると表明している。政治団体を名乗るが、実態はヘイトスピーチを行う差別扇動団体にほかならない。昨年11月からはほぼ毎週水曜日、小田急線相模大野駅や相模原市役所前で本村市長を誹謗中傷する街宣を続けている。
本村市長は19年4月に就任。同年11月には条例制定に向けた検討を審議会に諮問し、議論が始まった。審議会は20年度内にも答申を出す予定だったが、コロナ禍で会議開催の間隔が空いたこともあり、結論は今年度に持ち越された。
本村市長は民団側に対し、「条例に罰則を入れるとなると簡単にはいかない」としながらも「できれば今年中に審議会の答申を持って議会に提出したい」と述べた。
また、韓国籍女性委員への誹謗中傷については「許されることではない。外国籍の方も大事な市民の一人だ」と憤りを表明した。
これに対し、中央本部人権擁護委員会の李根茁委員長は「市長から外国籍者への誹謗中傷を許さないという強いメッセージを出していくことで全国に差別はいけないという考えが波及する」と呼びかけた。
要望書は中央本部人権擁護委員会(李根茁委員長)、神奈川本部(李順載団長)、同相模原支部(金正秀支団長)の3団体連名。中央本部から李委員長と李宇海副委員長、李相哲生活局副局長、神奈川本部から李団長と河澋達相模原支部副団長、曺寿昭事務局長が参加した。