掲載日 : [22-06-20] 照会数 : 8167
大韓ラグビー協会の崔潤会長に聞く…日本強化合宿
[ 大韓ラグビー協会の崔潤会長 ]
[ 韓国代表と在日センバツチームとの評価戦を終えて ]
[ 韓国代表と在日センバツチームとの評価戦 ]
民団中央本部の顧問でもある在日同胞3世の崔潤氏が昨年7月、大韓ラグビー協会の会長に就任した。「日本の協力も得ながら韓国ラグビーを発展させたい」と意気込みを見せていた。
昨年の東京五輪で韓国はラグビーのセブンズ(7人制ラグビー)に出場したが、崔会長はラグビーだけでなく、韓国選手団の副団長を務め、全選手への後方支援を行った。
名古屋で生まれ育った崔会長自身も高校、大学時代に選手としてプレー。名古屋学院大時代は在日韓国人のクラブチーム「愛知闘球団」でプレーした。ラグビーへの情熱も高い。大韓ラグビー協会の崔潤会長に韓国ラグビーのめざすもの等を聞いた。
◆在日ラガーマンへの期待
現在、「ジャパンラグビーリーグワン」で活躍する在日同胞選手も少なくない。ただ、その多くは日本の高校ラグビーの甲子園とも言われる「花園」の常連校でもある大阪朝鮮高校出身が占めている。
南も北もなく、いつかは在日同胞が一つになった『ワン・チーム』を望んでいたが、それに近づけた。韓国代表の評価戦の相手として、在日選抜チームとして戦うことは、いい意味での『ノーサイド』になったのでは。
きょうこそ、違うユニホームで戦ったが、この在日ラガーマンが韓国代表となり、いつかは同じユニホームで戦う姿を願っている。
何事も過去にとらわれず、未来に向かって進めば良い結果がでることをラグビーを通じて痛感した。
◆韓国ラグビーの実情
昨年、大韓ラグビー協会の会長に就任して以来めざすことがあった。
韓国ラグビーは在日のラグビーと事情が似ていて、数多いスポーツの中でもマイナーな競技だ。
極端に言うと、アメフトとラグビーを混在している人も多いほどだ。
それでも、日本では大阪朝鮮高校がひたむきな姿勢で『花園』をめざすように、韓国代表もその姿勢を持てば、いずれは日本に追いつけるのではと考えた。
韓国ラグビーは『井の中の蛙』のような部分があり、大きな舞台をめざす意気込みが欠如していた。大阪朝鮮のように、数少ない在日ラガーマンが全国大会ベスト4まで勝ち進んだ、ひたむきさを韓国代表たちも感じてほしい。
◆韓国ラグビーのめざすもの
日本では子どもたちのラグビースクールが活発だが、韓国でもようやくそのような、子ども教室が動き出した。
さらに、これまで力任せがちだった韓国代表チームに先進技術の向上を図るため、監督に南アフリカの名門チーム「シャークス」と日本の流通経済大学ラグビー部専任コーチだったチャールズ・ロウ氏を招き、世界的トップチームで培われたコーチングのノウハウで、最新のトレーニングメニューまでを取り入れた。
さらに、8年間の韓国在任中、大阪朝鮮を7度の全国大会出場、89、90回大会では2年連続ベスト4や選抜大会準優勝に導き、日本ラグビー協会のリソースコーチ、呉英吉氏をはじめ、日本の名門チーム、クボタやNTTでの経験者を指導者として招へいし、先進技術の習得を進めている。
とくに、怪我をしない身体作りとゲームパフォーマンス向上のための専門コーチ「S&C=ストレングス&コンディショニング」コーチも招へいし、選手別のトレーニングメニューを考案し実践せさることはもちろん、栄養管理から怪我の際のリハビリまで担当しいる。
その効果が徐々に現れ、チームのバランスが整いつつあり、今後のレベルアップを期待している。