掲載日 : [22-05-30] 照会数 : 8620
関係改善への拍車を期待…日韓親善協会中央会が総会
[ あいさつを述べる河村建夫・日韓親善協会中央会会長 ]
日韓親善協会中央会(河村建夫会長)の2022年度年次総会・懇親会が5月27日、都内のホテルで開催された。全国の日韓親善協会の代表役員と理事ら約50人が参席した。新型コロナウイルスの関係でこの2年間は書面決議に代えたが、対面式の総会は3年ぶりだ。総会と懇親会では韓国の政権交代にあわせ、コロナ禍で制限されていた韓日渡航の緩和によって、この間、国交回復以来「最悪」と言われてきた韓日関係の改善に大きな拍車がかかるものと期待を寄せていた。
河村会長は「尹錫悦大統領の就任とともに韓日関係改善へ、様々な動きが出てきている。粘り強く続けてきた草の根の民間交流が実るときがやってきたと自負している」と述べた。
報告では夏に予定していた青少年交流訪韓団がコロナ禍の影響で中止となったが、高知県日韓親善協会との共催で今年2月に高知県の明徳義塾中・高校の韓国人留学生と作新学院、宇都宮文星女子高校の高校生、JKSE(日韓大学生交流サークル)の大学生らあわせて11人と明徳義塾高校在籍の韓国人留学生と卒業生7人によるオンライン形式での交流会を開催し、互いの国や文化・歴史・言葉などについて紹介し合うなど、活発な意見交換で理解を深めた。
また、創立45周年事業として5月に予定していた記念式典の開催は見送ったが、12月に45周年記念特別講演会を開催し、各地の日韓親善協会役員や民団関係者と約100人が参加し、新たな韓日友好関係についての認識を高めたことが強調された。
今年度の主要方針としては夏休み期間中に企画していた青少年相互訪問交流事業は今年も訪韓・訪日を見送る代わりに、7月25日から4泊5日間の日程で、韓国人留学生と日本の高校生合わせて20人程度を対象に高知県を訪問する形式で開催する。
また、秋に歴史文化交流事業、12月には全国地方協会の役員・実務者会議と時局講演会を開催する予定だ。
合わせて平出隆一(河村健夫事務所顧問)、倉田勝彦(中央会参与),尹星駿(韓日経済協会諮問委員)の3氏を新たに顧問として推戴し、現副会長の中川和雄氏(大阪日韓親善協会会長)の退任が承認された。
総会後に開かれた懇親会には姜昌一駐日韓国大使、日韓議員連盟の中谷元副会長、武田良太幹事長、外務省から實生泰介官房参事官、呂健二中央団長をはじめとする民団の役員らあわせて約100人が参席した。
河村会長は尹錫悦大統領の就任を前後して訪韓した際、尹錫悦当選人(当時)の張済元秘書室長や韓日議連の金振杓会長、龍山の大統領執務室で日韓議員連盟の訪韓団と共に、尹大統領と面会したことを報告しながら、「尹大統領は98年の韓日パートナーシップ宣言を継承する意向を述べるなど、関係改善への強い意欲を感じた」と述べながら、「岸田首相には日本側としても改善へ何ができるのかを考えるべきだと打診したしたところ、同意していた。速い速度で改善に向かうことを期待している」と述べた。
あわせて「31年間にわたる議員生活にピリオドを打った、引き続いて民間人として韓日親善の先頭に立って努力を続けていく」と新たな決意を示した。
姜大使は「昨年赴任して以来、全国を訪問しながら政界人らと対面してきたが、みんなが韓日関係改善を強く望んでいた。昨年4月に天皇陛下とお目にかかったとき、韓日友好増進に好意を示して頂いた」とし、「尹錫悦大統領も関係改善に意欲を見せており、正常化は早い時期に訪れるだろう」と言明した。
日韓議員連盟の中谷副会長、武田幹事長、外務省の實生参事官らも韓日関係改善への新たな風が吹いていることを強調しながら、「同協会による民間交流の役割が大切だ」と期待を込めた。
柳興洙韓日親善協会中央会会長の祝辞を黄鍾吉副会長が代読した後、呂健二団長は「98年のパートナーシップ宣言、20年前の2002年韓日ワールドカップで両国の民間交流が格段と深まった。今や、新大久保だけでなく原宿などでも韓流ブームがわき起こり若者たちで賑わっている」としながら、「草の根民間交流こそ大切であり、民団もその役割を最大限果たしていく」と述べた。
この後、金光一副会長の音頭で乾杯し懇親が始まった。