掲載日 : [22-06-10] 照会数 : 8085
北韓の朝総連全体大会への指示に対して民団が談話文
5月28日に開催された朝総連第25回全体大会にて、北韓指導者が送った書簡で、「総連は『民団』をはじめ組織外の同胞との民族団結事業を強化して統一愛国勢力を一層拡大し、彼らとの共同行動、共同闘争を活発にしなければならない」と指示したことに対して、民団中央本部では以下の内容の談話文を発表した。
談話文
朝総連の第25回全体大会が去る5月28日開催され、会場で北韓指導者が送った書簡が読み上げられ、《伝達》されたという。
その書簡は、祖国統一は最も重大な愛国事業と強調し、朝総連に対し次のように強く指示している。
「総連は、民族大団結の旗印の下で『民団』をはじめ組織外の同胞との民族団結事業を強化して統一愛国勢力を一層拡大し、彼らとの共同行動、共同闘争を活発にしなければならない」
つまり、北韓のチュチェ思想のもとに民団を引き入れ、共同行動することによって、統一愛国勢力を拡大せよ、という指令である。
ここに本団の名が出てきたのは何故か。2006年に朝総連の考え方に近い人士により本団と朝総連を一体化しようとした「5.17事態」が起こった。同胞社会や日本社会から多くの批判が出て、阻止した経緯がある。昨年以来、嘘と誹謗中傷を繰り返し、本団に混乱をもたらした要因にも留意する必要がある。
本団は、朝総連が北韓の体制と思想に盲従することから早く脱却し、在日同胞のための真の民間組織として再生するよう再三望んできた。体制維持のために朝総連に対し絶対服従を強制するこの書簡が、朝総連の大会で《綱領的》に貫徹することが決議されたことは、時代錯誤も甚だしいものである。
朝総連は、北東アジアの平和と同胞の安寧を真に願うのであれば、北韓の核ミサイル開発の中止を求め、日本人拉致被害者問題の誠意ある解決と、北送された93,340名の同胞家族の安否確認と自由往来を求めるべきである。また、朝鮮学校は偏ったチュチェ思想教育ではなく、真の民族教育と国際化教育を行う学校に変革すべきである。
本団の全国の各級組織幹部、団員同胞は、北韓の誤った思想と民族観、その独裁と抑圧、それに盲従する朝総連の策動に煽動され騙されることなく、自由と民主主義を守り、在日同胞の生活と権益を守って行きましょう。本団は、在日同胞社会と日本社会の理解と共感が得られる朝総連であるなら、いつでも胸襟を開いて対応するものである。
2022年 6月10日
在日本大韓民国民団中央本部
団 長 呂 健 二