掲載日 : [21-06-11] 照会数 : 9843
国立ハンセン病資料館で国賠請求訴訟判決20周年展始まる
[ 国立ハンセン病資料館ギャラリー展と担当の木村哲也主任 ]
1996年の「らい予防法」の廃止を受け、同法に基く強制隔離は違憲と訴えた国家賠償請求訴訟の判決から20周年。同訴訟の意味と意義を振り返る「ギャラリー展 私たちの上に、今日、青空が広がった」が10日、東京・東村山市の国立ハンセン病資料館で始まった。
提訴は98年7月31日。菊池恵楓園入所者4人と星塚敬愛園入所者9人の計13人が、ハンセン病施策による人権侵害の認定と謝罪、および補償を国に求めた。被告国側も「当時の隔離政策は正しかった」との主張を曲げず、全面的に争う構えを見せた。
判決文は「らい予防法」の改廃に向けた諸手続きを進めることを怠った厚生相の違法と、国会議員による立法不作為の故意・過失を認めた。
国が主張した「被害者の損害賠償請求権は違法行為から20年で消滅する」とした除籍期間については、「原告の被害が『らい予防法』廃止まで継続的・累積的に発生していた」として退けた。
「ギャラリー展」では訴訟の至った経緯と勝訴までの道のりをパネル、写真、当時の新聞資料など約50点を使い、時系列で振り返る。同資料館事業部事業課の木村哲也主任は「コロナ禍のいま、ハンセン病差別を過去の問題ではなく、いま現在の問題として関心を持ってほしい」と述べた。
30日まで。開館は10時~11時30分、13時30分~15時。無料、事前予約制。国立ハンセン病資料館(042・396・2909)。