掲載日 : [21-11-26] 照会数 : 9410
在日の無年金障害者を扱った記録映画と韓国映画上映ー第3回東京国際ろう映画祭
[ 飯山由貴監督「オールドロングステイ」 ]
[ キム・ジニュ監督「私はボリ」 ]
[ キム・ジニュ監督「私はボリ」 ]
第3回東京国際ろう映画祭の上映とトークが12月4日と5日、東京・渋谷区のユーロライブで開催される。初のオンライン上映は4日から12日まで。
同映画祭は、ろう者の社会や芸術の発展と育成、また誰もが自由に映画と芸術の興味を共有できる場や聴者とろう者の相互理解の場を創出することを目的に2年に1回開催している。
今回は、世界各地の映画祭で上映された最新の話題作から日本未配給作品まで、多種多様な32作品を上映する。
■飯山由貴監督「オールドロングステイ」
在日同胞の無年金障害者をテーマにした記録映画。ある年齢以上の外国籍の障害者に対しては障害年金が支給されないという理不尽な差別に対し、2000年3月、同胞7人が京都地方裁判所で裁判を起こす。
飯山監督は原告と支援者へのインタビューや過去の記録映画を通して「障害」と「民族」の歴史的、政治的な問題に向かい合っていく。
■キム・ジニュ監督「私はボリ」
11歳の少女ボリ以外の家族3人は皆、ろう者。家族に日々の出来事を話したいのに上手く伝えることがせきず、そんな自分にジレンマを抱くようになる。やがて彼女はなぜ私だけ違うのかを考え始め、孤独感を募らせていく。
東京ろう映画祭実行委員会の牧原依里代表は「オールドロングステイ」について「普段マイノリティ側に置かれている私(ろう者)が知らなかった事実を知り、衝撃を受けた」といい、「在日のろう者に対して丁寧にリサーチを取られている誠実な作品だと感じた」と話す。
また「私はボリ」については「聴者である少女の視点を通して『聞える』ことを準とする社会に対して波紋を投じている。自分らしく生きることはどういうことなのかを考えさせてくれる秀作」と評価する。
「オールドロングステイ」上映、飯山監督の舞台あいさつは5日、10時30分~13時50分。
オンライン上映、チケットなどの詳細は特設サイト:
https://tidff.tokyo/