掲載日 : [21-12-03] 照会数 : 8359
関係改善への道を聞く…元杉山大使が日韓協45周年記念講演で解説
[ 31年間の議員時代と韓日関係を振り返る河村健夫会長 ]
[ 東アジアの国際情勢と日韓関係について講演する杉山晋輔元駐米日本大使 ]
日韓親善協会中央会(河村建夫会長)は1日、東京都内のホテルで創立45周年を記念して特別講演会を開催した。各地の日韓親善協会役員や民団関係者合わせて約100人が参加した。
冒頭、河村会長が主催側代表としてあいさつ。1990年以来31年間、衆議院議員を務め、今年10月の衆議院選挙で政界を勇退するまでの韓日関係での経験をふり返り、最も忘れられないのが1998年、金大中大統領と小渕首相による「韓日パートナーシップ宣言」だとし、「トップ同士のリーダーシップと決断力が関係発展へ大きな弾みとなった」と評価した。
続けて、「政治は冷え込んでいるが、民間レベル、特に若者どうしの理解と交流は止めどなく活発化している」としながら、「日韓関係は大きく育つことはあっても小さくなることはない。政界は引退したが、民間交流が最も大切であり、そのためにも日韓親善・友好を一層発展させていくためにも、皆さんの支援をお願いしたい」と呼びかけた。
講師に今年2月まで駐米国日本大使を務め、2000年から4年間、駐韓国日本公使の経験を持つ、杉山晋輔氏(外務省顧問)を招いて、「東アジアの国際情勢と日韓関係」と題して基調講演が行われた。
杉山氏は駐米大使と駐韓公使赴任で経験した体験談を交えながら、韓日関係や日米韓同盟と米国から見た東アジア政策の観点などを解説。
とくに、1998年「韓日パートナーシップ宣言」と2002年韓日ワールドカップ共催によって最も両国関係が良好と言われている時期に駐韓公使に赴任した時について、「今と同じく、両国には様々な懸案事項が存在していた。当時と今と違いあるとすれば、当時は両国の①首脳②外交当局③外交実務者のそれぞれが信頼関係を築き、つねに対話する姿勢を持っていたと思う」と指摘しながら、「日韓両国が共通認識を持ち、共同で対処すべき課題が山積している。だからこそ、腹を割って話し合いをすることが大切だ」と強調した。
第2部の懇親会は森英介副会長の「隣人だからこそ知恵を出し合って、楽しく仲良く関係を築いていこう」との開会辞でスタート。
日韓議員連盟の衛藤征士郎会長代行は祝辞の中で、先日来日した韓日議連幹部との懇談で来年20周年を迎える2002ワールドカップを記念して、韓日議員親善サッカー試合をソウルと東京で開催することで合意したことが報告された。
公務のため途中退席した姜昌一駐日大使の代理として金容吉公使は、「今、韓日関係は最悪といわれているが私はそうは思わない。ビジネスを始め、各分野では対話とこうりゅうが順調に進んでいる。その上でも民間交流が大切であり、貴協会の役割が大きい」と期待を寄せた。
この後、韓日親善協会中央会の柳興洙会長(黄鍾吉副会長代読)、民団中央の呂健二団長らが祝辞を述べたあと、呉公太名誉顧問の音頭で乾杯した。
懇親会では同協会が毎年相互を訪問する韓日青少年交流団に参加した在日と日本の学生が「韓日交流」をテーマに体験談などを披露した。