次世代たち「韓日の懸け橋になる」 先輩たちの闘いの歴史踏まえ
民団中央本部の創団75周年記念イベント、「絆を未来へ」がオンライン映像配信の形式で20日から公開された。新型コロナウイルスの関係で、民団としては初の映像配信という試みだが、次世代たちを中心に、75年間、同胞と母国と日本社会と築いてきた絆を未来につなげていくメッセージを発信した。
事前に収録した映像配信によるイベントは民団75年の歩みを紹介するドキュメンタリーでオープニング。続いて、主催代表の呂健二団長、姜昌一駐日大使と金星坤在外同胞財団理事長のメッセージ、民団草創期から民団を見てきた辛容祥常任顧問の75年間の回顧でスタートした。
呂団長は「75年前、先輩たちは同胞の団結を合い言葉に、血と涙と汗を流しながら民団を築き上げてきた。70年代からは体系的な行政差別撤廃運動によって、200項目以上の国籍条項開放を勝ち取った」と振り返った。その上で「90周年、100周年に向けて皆様とともにすばらしい民団作りに進もう」と呼びかけた。
姜大使は「民団の75年はつねに祖国とともに歩んだ歳月。私たち民族の辛い歴史の中でスタートし、韓日関係や南北関係の歴史的特殊性の中で成長した。今後とも韓日の懸け橋として役割を果たされることを期待しています」とお祝いのメッセージを寄せた。
金理事長も「母国の経済発展や世界的なスポーツ大会の成功の裏には皆様の愛情に満ちた支援があったからであり、心から感謝申し上げたい」とし、「次世代育成に向けた支援に積極的に取り組んでいく」と約束した。
辛容祥常任顧問は団長時代に掲げた地方参政権獲得運動を振り返りながら、「世代が移り変わっても、次世代たちには自分のルーツをしっかり自覚して生きてほしい」と期待を寄せた。
続いて、民団の草の根である地方本部と支部の一線でユニークな活動を展開している4つの地方本部と支部を紹介した。
ここでは、今年4月に開園した大阪本部による「中崎はな保育園」、京都の「子ども食堂」、愛知・瀬戸支部の家庭訪問による団員サービス、東京・荒川支部の「オリニ事業」が紹介された。
「絆を未来へ」とのスローガンのとおり、75周年イベントのコンセプトは「次世代」に設定。21世紀を迎えた2001年に初開催し、今では民団の次世代育成イベントのシンボルとなっているオリニジャンボリー「卒業生」からのメッセージが紹介された。
今や立派に成長し、母国に修学したり、青年会の幹部を担っている6人が、未来に向けた抱負などを語った。
「オリニジャンボリーのような次世代たちのイベントにスタッフとしてお手伝いしたい」、「自分のツールを大切にし、韓日の懸け橋として生きていく」との抱負や、「これからの民団は私たち次世代がしっかり受け継いでいきます」と力強いコメントもあった。
さらに映像では、サッカー韓国女子代表の夢を成し遂げ、2度のW杯に出場した康裕美選手、テコンドー全日本選手権9連覇の金秀範選手、世界的なパフォーマーのちゃんへん(本名=金昌幸)さんと、日本と韓国を始め、世界を舞台に活躍している次世代3人がメッセージを寄せた。
また、東京、京都、大阪にある韓国系の民族学校4校の生徒たちの手によって制作された学校紹介のプレゼンテーション映像が上映された。
最後は11月から民団のホームページで応募していた豪華賞品が当たるオンライン抽選会の当選者が発表された。
同イベントの運営委員長を務めた金泰勲民団中央副団長は「コロナ禍という中、どんな形でも全国の団員の皆さんとつながりを持ちたいと、映像配信となった。企画から準備に携わった運営スタッフにも感謝を述べたいと」75周年イベントの意義を強調していた。
この映像は
民団中央本部のホームページとYuotubeで視聴できる。