排外主義台頭を危惧
在日外国人の永住資格を取り消すことが可能な「入管法改定案」が14日、参議院本会議で可決、成立した。3年後の2027年までに施行されることになった。永住資格取消削除を求めてきた民団中央本部の金利中団長は同日、談話を発表し、「悪質なケースが前提、殆どの永住者は心配ないとする小泉法相の答弁順守と永住資格取消が乱用されぬよう厳しく注視する」と強調した上で、「今後も粘り強く入管法の永住資格取消条項の見直しを政府に求めていく」と運動継続を表明した。
同法案には民団だけでなく、各界から批判が寄せられていた。日弁連、愛知県弁護士会などだ。横浜華僑総会の顧問は5月30日、参院法務委員会で参考人として意見陳述もしている。
14日の法案可決で内外の同胞から批判が出ている。外国人登録法(外登法)改正を指紋拒否という手段で闘った60代の2世は「外登証の常時携帯をしなかっただけで罪に問われた。人権侵害だと内外から批判され、この法律はなくなった。永住者のうっかりミスに付け込んで永住資格を取り消すなど言語道断。民主主義の国がやることではない」と怒る。
ソウルのジャーナリストは「永住権というのは永久に居住できる権利という意味ではないのか。住民の居住権をはく奪することができるという発想自体がおかしい」と指摘する。
水産専門紙の30代の記者からは「市場や流通などでは人手不足が深刻になっている。外国人を使う話がしょっちゅう出ているが、労働力としか考えていない。まずやるべきは労働者の待遇改善だ」と語った。
また、ある民団顧問は「在日の権利を守るのが民団の存在意義だ。法案が施行されても粘り強く闘わなければならない。闘いはまだ終わっていない」と意見した。
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