

第27代朴喆熙駐日特命全権大使の離任同胞懇談会が8日、韓国中央会館で開かれ、民団中央本部の幹部をはじめ、中央執行委員を務める東京、神奈川、宮城、愛知、大阪、兵庫、京都、広島、福岡本部の団長や婦人会、青年会の会長ら約70人が参加した。約1年間の赴任期間だったが、韓日関係改善のために東奔西走し、成果を上げた朴大使に惜しみない拍手が送られた。
冒頭、昨年8月に就任して以来、約1年間の朴大使の活動を振り返る映像を視聴した。
朴大使は昨年11月21日、民団石川本部(閔興基団長)とともに能登地震や豪雨の被災地の一つ、輪島市の団地で炊き出しを実施した。「被災者に温かい物を提供したい」との気持ちから自ら陣頭指揮を執り、韓国伝統の温かいスープ料理ソルロンタンとチヂミ200食を提供した。石川を訪れた折に金沢市にある尹奉吉義士暗葬の地を訪れ、殉国記念碑を参拝、献花した。
朴大使のモットーは「揺るがない韓日関係、後戻りしない韓日関係を築くこと」だった。精力的に全国を巡回し、日本の政界をはじめ、各界各層と懇談、親交を深めてきた。
離任が決まるや、参議院選挙前の多忙な時期でありながら、石破茂首相、林芳正官房長官、岩屋毅外務大臣、中谷元防衛大臣、阿部俊子文科大臣らと別れの挨拶をすることができたという。
金利中中央団長は「突然の離任で歓送会ができずに残念だ。朴大使は未来志向的な韓日関係の重要性と韓日の懸け橋になる民団の力の大切さを常に強調された。これまでの友好な韓日関係を壊してはならない。これからも民団は草の根の民間活動を継続する」とエールを送った。
朴大使は「尹錫悦前大統領を支え、対日関係を改善するためのシナリオづくりなどできるだけのことを実行してきた。日本のある大臣の娘が自分の母親を『オンマ』と呼んでいるという話も聞いた。韓日関係も良くなり、世界も変わったという印象だ」と韓日関係を振り返った。
また、在日同胞についても言及し、駐日大使館に土地を寄贈した在日1世の徐甲虎氏の業績を称え、毎年11月1日を「徐甲虎の日」として定めたことを改めて報告した。大使公邸を故人の雅号「東鳴」にちなんで「東鳴斎」と命名、懸板式を執り行った。
朴大使は民団幹部らに「民族性を維持し、次世代を育成し、和合と団結の精神で一つになり、在日社会をけん引してほしい」と結んだ。