掲載日 : [21-02-25] 照会数 : 9833
32年五輪の南北共同招致が事実上白紙に…「北韓リスク」が足かせ
[ 理事会の結果を説明するIOCのバッハ会長=(AFP=聯合ニュース) ]
国際オリンピック委員会(IOC)が25日(日本時間)の理事会で2032年夏季五輪・パラリンピックの最優先候補地としてオーストラリアのブリスベンを選定し、韓国・ソウルと北朝鮮・平壌による同大会の共同招致は事実上白紙となった。
五輪開催地を検討する将来開催地委員会がブリスベンを推薦し、理事会で承認された。
南北をはじめ、カタール、ハンガリー、ドイツ、中国、インドネシア、インド、トルコ、ロシアなどの都市が32年大会の招致に関心を示していたが、いずれも本格的な招致活動の前段階となるIOCとの「継続的な対話」で脱落した。
大韓体育会(韓国オリンピック委員会)をはじめとするスポーツ界は、IOCが32年大会の最優先候補地をこれほど早く決定するとは思いもよらなかったとしながらも、結局のところ「北朝鮮リスク」が足かせとなって南北共同招致の推進にブレーキがかかったとみている。
体育会の関係者は「私たちは五輪の南北共催によって朝鮮半島はもちろん世界の平和に寄与するという遠大な目標を提示したが、IOC委員たちは北の問題をリスク要素と判断したようだ」と話した。
18年の平昌冬季五輪への北朝鮮の参加を機に、南北間には雪解けムードが漂った。この年だけで南北首脳は3回会談した。同年9月、南北首脳は「平壌共同宣言」で、32年五輪の共同開催を招致するため協力すると表明した。
首脳間の約束を果たすため、南北のスポーツ分野の実務者は会談を開いて議論を重ねた。ソウルと平壌を32年の五輪開催都市に決めた南北は19年2月、IOCに五輪共同招致の意向書を提出し、本格的な準備に着手しようとしたが、同月にベトナム・ハノイで開かれた米朝首脳会談が成果なく終わったことで南北関係が再び冷え込み、その後は議論が全く進まなくなっていた。
【記事原文=ソウル聯合ニュース】