安は日本武道館で行われた柔道男子73キロ級の3位決定戦で、アゼルバイジャンの選手から終了7秒前に「技あり」を奪い、勝利した。
試合後、安は「金メダルを取れず納得できないが、後悔はない」とし、「東京五輪に向けて準備し、実力を引き上げるため全てのことをした」と話した。
安は初戦から激戦が続き、準決勝まですべて延長戦にもつれ込んだ。
安は筑波大の2年生だった2013年に全日本学生柔道体重別選手権で優勝。日本代表チームの帰化要請を断り、14年に韓国へ渡った。「当時、大学の監督から日本に帰化するつもりがないかと尋ねられた」とし、「韓国籍は祖父と祖母が命をかけて守ったものだ。韓国籍を維持したことを後悔したことは一度もない」と話した。
また、「在日韓国人は日本では韓国の人、韓国では日本の人と呼ばれる」とし、「差別があるのが事実」と話した。その上で、「オリンピックでメダルを取り、在日同胞に対する認識を良い方に変えたかった」とし、「私の姿を見て(在日同胞の)子どもたちが大きい力を得てくれればうれしい」と伝えた。
在日社会に関する話は続いた。安は「私の精神的な基盤は在日同胞の社会で作られた」とし、「今も多くの(在日同胞の)方たちが助けてくれる。感謝を伝えたい」と述べた。
柔道の聖地と呼ばれる日本武道館で銅メダルを獲得した感想も伝えた。「栄えある場ではあるが、試合の時は感情をすべて捨て、機械的に集中した」と話した。
また武道館に太極旗を掲げたことについては、「最も高いところではないので」と話した。
金メダルが獲得できなかったことに対する失意が大きいように見えた。ライバルである日本の大野将平と対戦することなく五輪を終えたことについては、「対戦できなかったのは残念だが、今回の目標は大野(に勝つこと)ではなく、金メダルだった」と話した。
【聯合ニュース】
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