団長に金利中氏選出
議長に任泰洙氏、監察委員長に金春植氏
民団の第56回定期中央大会が2月28日、東京・港区の韓国中央会館で開催され、団長に金利中氏(64、神奈川本部常任顧問)、議長に任泰洙氏(62、北海道本部常任顧問)、監察委員長には金春植氏(77、前中央本部監察委員長)が選出された。中央選挙管理委員会(崔鐘太・呉公太共同委員長)からそれぞれ当選証書の交付を受けた新3機関長は、未来志向で和解・団結・融和を図り、組織の基盤強化と同胞社会の和合事業を進めていくことを誓い合った。
3機関長には合わせて6人が立候補。事前の合同演説会は2月10日の九州を皮切りに全国6地協を巡回して行われた。合同演説会は9年ぶり。
所信表明で団長候補の金泰勲氏(74、前中央本部副団長)は、中央会館の耐震化、「KJアプリ」を利用した民団財政の回復と団員サービス、3機関制度の見直しなどを訴えた。
一方、金利中候補は、組織混乱で途絶えた中央本部と地方本部の対話が必要だと述べた。併せて次世代事業の必要性を重視していることを明らかにした。
投票の結果、金泰勲候補が128票(選挙人16、中央代議員112)を獲得。一方、金利中候補は347票(選挙人59、中央代議員288)だった。
議長候補には呉英義氏(72、前中央本部副団長)と任泰洙氏が名乗りを上げていたが、呉候補の辞退表明により任候補の無投票当選が決まった。
監察委員長は李根茁候補(69、前中央本部副団長)と金春植候補(77、前監察委員長)の争いとなった。
李候補は規約運用にあたって団員ファーストを打ち出し、「規約運用にあたっては公明正大、公平を心がけるのはあたりまえ。その向こうにある団員の姿が見えなければ、ただの権力者にすぎない」と強調した。
これに対して金候補は、この3年間にわたる混乱の原因を究明する「特別委員会」の設置を打ち出した。
投票の結果、李候補が176票(選挙人23、中央代議員153)、金候補は314票(選挙人51、中央代議員263)だった。
金候補の再選を受けてあいさつで金玉彩駐横浜総領事(中央選挙管理員会諮問役)は「真相究明員会」について、「前向きな方向ならいいが」と混乱事態の再燃に一抹の危惧を表明した。
副団長に金政弘氏(民団京都本部団長)が指名され、副議長は未定、監察委員は張仙鶴氏と金眞氏が留任した。
直選中央委員選出と顧問の推戴は新3機関長に、中央執行委員と事務総長の各認准は新任団長に一任された。
大会は在籍代議員506人(定員550、欠員37、未配定6)のうち406人(選挙時428)の出席で成立。
駐日韓国大使館から尹徳敏大使が参席し、祝辞の中で「民団社会のさらなる和合と団結」を呼びかけた。
新3機関長の抱負
◎金利中団長「なにごともスタートが大事。一つひとつ違う皆さんの心をつかみ、間違いのない1歩を踏み出したい」
◎任泰洙議長「この3年間、混乱を招いた当事者として反省と葛藤の日々だった。皆さんの応援で復帰でき、感無量だ。これからは和をもって進めていきたい」
◎金春植監察委員長 「今年は創団から78年、組織の制度疲労は否めない。規約のし意的運用が起きないよう、この3年間を検証しながら1歩1歩進めていかなければならない」