【京都】民団京都本部(金政弘団長)の新会館が完成し、14日、団員と関係者にお披露目された。築60年が経過して老朽化が進んでいた旧会館の建て直しは、金団長が6年前に就任したときからの懸案だった。竣工式で金団長は「諸先輩たちの協力、皆さんからの勇気をもらって任期内に完成することができた」と感謝の言葉を述べた。
新会館は高さ10㍍、地上3階建て。建坪237・10平方㍍。延べ床面積は682・40平方㍍。総工費は約4億円。このうち、約3億7000万円を募金でまかなった。
モダンな鉄筋コンクリート打ち放し構造ながら、クラシカルな木目調がぬくもりを感じさせる。屋根は伝統的な瓦葺きとし、軒先は銅板意匠。1回道路側には塀を設置した。会館周辺は西側に加茂川が流れ、東には世界文化遺産の下鴨神社がある。遠くには大文字も望める立地だけに、京都市の景観基準に則った建物となっている。
1階は駐車場と、韓国語教室や「オリニ土曜学校」などで利用される多目的室。2階は民団京都本部と婦人会京都本部、一社在日韓国商工会議所京都がそれぞれの事務所を構える。3階は大ホールと小会議室。
2、3階には水平ラインを強調する横ルーバー(細長い羽板を隙間をあけて平行に並べたもの)を設置した。これは京町屋にかかるすだれや加茂川の流れをほうふつとさせるほか、直射日光を遮る実用的な機能もある。
竣工式は3階大ホールで行われた。金団長は「民団は団員をしっかりと守り、次世代を育てていくことが大事。これからもたくさんの団員たちが新会館に訪れてくれることを願っている」と期待を寄せた。駐大阪韓国総領事館の金亨駿総領事は「長きにわたり宿願であった新会館が完成した。皆さんが力を合せて在日同胞社会の和合、発展、次世代育成、権益擁護に力を発揮してくれることを期待している」とエールを送った。
京都府国際課の藤巻秀和課長は民団の地域活動を称えた西脇隆俊知事の祝辞を代読。このなかで西脇知事は「これからも相互理解、多文化共生に一層取り組んでいってほしい」と呼びかけた。
京都市の門川大作市長も京都市総合企画局国際交流・共生推進の西松卓哉室長を通じて「京都コリアフェスティバル」の開催など、民団の活動がより一層広がりをみせることを期待しているとした祝辞を寄せた。
各地民団からも
竣工式には団員や顧問、婦人会京都本部(趙清美会長)会員のほか、中央本部の金眞監察委員、大阪本部の李元徹団長、奈良本部の李勲団長、滋賀本部の金東凡団長、東京本部の李壽源団長、宮城本部の李純午団長、広島本部の金基成団長ら150人が参加した。