掲載日 : [19-09-20] 照会数 : 11389
1世世代高齢者宅を戸別訪問 民団山梨が婦人会と
[ 鄭鎭烈常任顧問宅を訪問した李正炯団長(右) ]
【山梨】民団山梨本部(李正炯団長)は19、20の2日間、婦人会山梨本部(金貞姫会長)が丹精を込めたキムチとチヂミを持って1世世代の高齢同胞宅を戸別訪問した。同胞の情愛を県内の隅々まで届けたいと、4年前から継続している。高齢で足腰の弱った同胞たちは「元気ですかの一言だけで報われる」と民団と婦人会両役員の訪問を歓迎していた。
オイキムチは口に入りやすいように小さくカット。チヂミは海産物をふんだんに使った「ちょっと豪華」な仕様だ。婦人会関係者10人が19日早朝から手分けして準備した。このほかに韓国風の餅と冬場にそなえたひざ掛けも用意した。
李団長は甲府市内の鄭鎭烈常任顧問(101)宅を訪問した。鄭常任顧問は「歴代顧問のなかでも突出した業績を残した功労者」(李団長の話)。李団長が緊張した面持ちでお土産を差し出すと、笑顔を見せて歓迎した。子息の郁さん(民団本部常任顧問)によれば「耳は遠いがいたって元気。足腰は弱っているが今年の光復節にも参加した」。
李眞二議長は遠方の韮崎から小淵沢まで回った。訪問先では「こんなことまでしてもらって」という感謝の言葉が返ってきた。同じく身延町を回った李讃雨事務局長は各戸で民団の活動を説明し、身の上話にも耳を傾けたため、1軒あたり40分以上かかった。
甲府市内を訪問した車永植副団長は、「心が痛かった。家の庭で自家栽培している野菜を持って『敬老の日』に限らず訪問したい」と語った。
婦人会も各自の近隣宅を手分けして訪問した。 元事務局長の李壽昶さん(78)は婦人会役員の訪問に「なにも手土産なんか持ってこなくてもいい。ただ顔を出して、元気ですかの一言だけでも報われる」と心情を明かした。
甲府市内に住むある日本籍の夫人(90)は持参のキムチを「懐かしい味」と評した。「主人が元気だったころは民団の新年会に出て歌ったり踊ったりすることが楽しみだった。いまは独りにも慣れた」という。訪問した婦人会役員は「戸別訪問は大事。電話よりなにより直接会うほうがいい。若い時と違って年を重ねるほどさみしくなっている」と感想を語った。
同本部は2日間かけて75歳以上の高齢者宅39世帯の訪問を終えた。