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北「民族自主」放棄の「朝米平和協定」(下)
最高指導者の食言
「韓・中排除」露骨に…南北間の各種基本合意ほご


 北韓の指示に基づき「6・15共同宣言実践日本地域委員会」が推進を強調している、韓国排除・米国依存を目的とした「朝米平和協定」締結要求運動は、6・15宣言の基本理念とされている「わが民族同士」に反し、「民族共助」、「民族自主」を事実上放棄するものだ。

 金大中大統領は、金正日国防委員長との「6・15宣言」発表後の2000年10月、「休戦協定締結当時、米国のクラーク将軍が署名したが、これは国連軍代表(総司令官)として行ったもので、韓国は国連軍の一員だったので当然協定当事者である」(10月31日付「コリア・タイムズ」創刊50周年会見)と強調している。

当事者が主導し平和体制を構築

 翌年6月の韓国戦争51周年に際しての演説では、「韓半島での休戦状態を終息させるために南北間で平和協定が締結されなければならない」と北韓に呼びかけるとともに、「平和協定はあくまでも南北当事者が主導しなければならない。南北双方をはじめ、主要参戦国である米国と中国が支持し、協力しなければならず、国連の賛成も必要である」と表明している。

 金大統領は、6・15宣言を発表した金国防委員長との会談で、「南北基本合意書」(南北間の和解・不可侵および交流協力に関する合意書。92年2月発効)の重要性を指摘、分野別共同委員会の再稼働の必要性を強調した。南北基本合意書は「現在の休戦状態を南北間の堅固な平和状態に転換させるために共同で努力し、このような平和状態が定着するまで、現軍事休戦協定を順守する」と明記している。

 07年の盧武鉉大統領と金国防委員長による10・4宣言(南北関係発展と平和繁栄のための宣言)も、「南北は、現在の休戦体制を終結させ恒久的な平和体制を構築すべきだという点で認識を共にし、直接関連する3者または4者の首脳が韓半島地域で会談し、終戦を宣言する問題を推進するために協力していく」とうたっている。

 「3者」は南北+米国であり、「4者」は南北+米中だ。いずれも南北を主役としている。「3者」というのは北側が求めた文言で、中国の排除に狙いがあった。

 韓国側の説明によれば、このとき金国防委員長は、盧大統領の「非核化に関する既存合意(92年2月発効の韓半島非核化共同宣言)を再確認し、今後も南北間で互いに緊密に協議していこう」との提案に同意を表明している。「非核化共同宣言」は核兵器の実験・製造・生産・受け入れ・保有・貯蔵・配備・使用を行わないこと、核エネルギー利用を平和目的に限ること、核再処理施設とウラン濃縮施設を保有しないこと、南北核統制共同委員会を設置し相互査察を実施することをうたっている。

 金大統領は退任後も、「南北基本合意書には南北が扱うべき重要な問題が網羅されている。重要な章典だ。必ず実践されなければならない」(『月刊朝鮮』08年10月号インタビュー)と主張している。

 金大統領の右腕として対北・統一政策を推進した林東源・元統一部長官も「6・15と10・4は南北基本合意書を土台としている」と強調している(09年12月「南北基本合意書採択18周年記念国際学術会議」)。

 ちなみに金日成主席(当時)は92年2月、平壌での第6回南北総理会談を終えた双方の代表団を前に声明書を読み上げ、「今回発効した合意文書(「南北基本合意書」および「韓半島非核化共同宣言」)は北と南の責任ある当局が民族の前に誓った誓約だ。共和国政府は、この歴史的な合意文書を祖国の自主的平和統一の道で達成した高貴な結実と考え、その履行にあらゆる努力を尽くす」と約束していた(林東源「南北首脳会談への道 林東源回顧録」岩波書店)。

 このように「南北共同宣言(6・15、10・4)の尊重・履行」と整合するのは、「南北平和協定」であり、「朝米平和協定」ではない。朝米平和協定推進は、これまでの南北間の各種重要基本合意をまったく無視するものだ。

 韓半島での戦火再発を防止し、現在の休戦体制から恒久的な平和体制への転換推進には、南北の相互信頼関係の構築が不可欠である。

 北韓側が、南北分断克服へ韓半島の非核化と平和体制構築への道筋を示した「わが民族同士の高貴な結実」を一方的に反古・破棄にすることなく順守・履行していたならば、今日まで続く「韓半島核危機」はなかった。

東北アの安定へ共同努力を約束

 本当に「民族自主」「わが民族同士」を大事に思い強調するならば、基本合意書や非核化共同宣言など南北間の重要合意の尊重に力を注がなければならない。

 なお、05年の南北+米中日ロの「6者会談」の「9・19共同声明」は、第1項で「92年の韓半島非核化共同宣言は順守・履行されるべきである」とその意義を再確認している。そして「朝鮮民主主義人民共和国は、すべての核兵器及び既存の核計画を放棄すること、並びに核兵器不拡散条約及びIAEA保障措置に早期に復帰することを約束した」と確認。

 さらに第4項で「6者は、東北アジア地域の永続的な平和と安定のための共同の努力を約束した。直接の当事者は、適切なフォーラムで、韓半島の恒久的な平和体制について協議する」と明記している。

 つまり、北韓の非核化を求めながら、同時に韓半島の平和体制について、韓国戦争の当事者である南・北・米・中4者が協議することを想定している。

 6者会談議長国である中国の主張する「非核化と平和協定同時推進」はこのような6者合意を想起させこそすれ、韓国排除を目的とした北韓の「朝米平和協定」主張に同調してのものではない。

(2016.3.30 民団新聞)
 
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