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<生活>心の悩みともにして 川崎・ふれあい館オープンハーツ
李禮子さん
教わったチヂミを作って話し合う参加者たち
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聞き役は在日同胞
「母と子の仲 紡いでいく」

 川崎市ふれあい館が、08年10月から地域子育て支援センター(児童館型)の委託を市から受け、同館の室内プログラムをリニューアルオープン、子育て支援事業としてスタートしたのが「オープンハーツ」だ。この相談員を担っているのが在日同胞の李禮子さん。

 相談者は圧倒的に日本人が多い。外国籍では韓国、中国、フィリピンの母親たちがいる。月に2回、0歳から18歳までの子どもを持つ母親、または思春期の子どもに関わる全ての相談を受けている。相談形態は、グループワークと個人相談になる。

 思春期の在日の子どもたちは、アイデンティティーの問題や、親との関わりなどで悩んでいることが多い。でも「在日同士の場合は、特別な問題がない限りは、克服できます」と李さんは話す。「子どもは親に響きあって生きてますから、子どもに問題があると思っても、親が問題だったりすることが多い。親が悩みを抱えていたり、病気だったり」。親との関わりのなかで、子どもが悩みを抱え込んでしまう。

オモニに多い子の責めすぎ

 相談は日本人と韓国人では内容が少し異なるようだ。特に韓国から来たオモニの場合は、子どもを責める傾向にあり、日本人の母親は、子どもを可愛く思えない、育てるのがつらい、愛せないというのが圧倒的だと話す。

 相談者は自分の力では解決できず、関係が悪化してくることがほとんどだ。まず李さんは、相談者の話を聞くことに徹する。

 子どもの場合は、その子の気持ちを、正面から受け止める。「子どもは親に話を聞かれていない。親は忠告とか、こうするといいという指示、命令で話す。今、日本の社会の中は人間関係が希薄です。だから家庭のなかで聞いてもらえない子どもは壊れてしまう」

 場合によっては地域のさまざまなネットワークを使って、子どもが危険な状況に追い込まれないための見守りを行うこともある。また母親の場合も基本は同じだが、相談者の生い立ちなども聞きながら、問題の根っこを探っていくことも。

「まず保護者支援が必要」

 「母親は子どもは愛したいと思っているし、一生懸命育てています。一生懸命やってはいるけどそのやり方が分からない」。助言通りにできないとパニックになることもあるという。グループワークは、数人の母親たちと話し合いながら、個別に話していく。人との関わりのなかで、自分のことに気づいていくからだ。

 「私は相談を通して、親子の関係を紡いでいく仕事をしています。関係を紡げば成立するし、一人ひとりは力を持っているので元気になります。寄り添って話を聞く、心を開かせてあげることが大事なんです」。「子育ては子どもだけではなく、保護者を支援しないと成立しません。本当は家族支援が必要なんです」

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韓日の違い“肴”に交流
お国の料理を楽しむ学級

 川崎市ふれあい館主催の多文化交流学級の第3回「エスニックな私たちの街再発見」が14日、川崎・桜本の同館会議室で開かれた。この講座は、「味」と「語り」と「音」で取り戻す私たちの街のすてきな風景と題して、毎回講師たちが思い出深い料理と話を紹介する。

 この日の講師は同館でボランティア活動を行いながら1年間に50回、市内の学校を回り韓国の文化や食などを紹介している金恵珍さん(38)と、金顕貞さん(39)。2人は韓国の定番家庭料理のイカとニラのチヂミを参加者たちと作った。

 顕貞さんは「韓国のチヂミは薄く焼く」「焼いた面が乾いた感じのときは油が少ない」「出しの素は入れない」などポイントを説明。参加者たちは2人の指示通り、手際よく焼くまでの準備を整えた。

 チヂミをフライパンで焼くときのパチパチという音が雨の音に似ていることから、雨の日には女性たちが集まって、家にある野菜でチヂミを焼きながら談笑するという話に、参加者たちはなるほど、という顔をしながらうなずいていた。

 試食会ではチヂミをほお張りながら、講師の2人は韓国と日本の違いについて話した。

 滞在10年の恵珍さんは、引っ越しの際のあいさつについて、「日本では玄関の前であいさつをするだけだから寂しい。韓国では家に上がってもらってから話をします」と説明。また顕貞さんは、「韓国人は友だちと買い物に行き、一緒の食材を買います。でも日本は一緒に行っても買うときは別ですね」などの話に参加者たちは興味津々。参加者を交えた韓日談義に花が咲いた。

(2009.2.25 民団新聞)
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