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<近弁連>正面突破へ候補者7人
最高裁の運用に異議 来年4月採用前に
外国籍の調停委員就任阻む「当然の法理」

【大阪】外国籍弁護士の調停委員就任をめぐって、近畿弁護士連合会と最高裁判所の攻防がこれから本格化しそうだ。近畿弁護士連合会は調停委員就任に意欲を示す7人を掘り起こし、所属弁護士会に9月17日、推薦依頼状を送った。最高裁は、「公権力を行使する」として外国籍の調停委員をかたくなに認めていない。来年4月には新しい調停委員が全国の地裁、家裁に就任する。

 調停委員は地裁、家裁が最寄りの弁護士会などに推薦を依頼し、その推薦をもとに最高裁に上申して任命を受ける。外国籍の弁護士の就任を妨げる明文上の法はない。ただし、最高裁は、調停調書の記載が判決確定と同一の効力を有すること、調停委員会の呼び出しや命令、措置に対する違反に過料を科せられることなどから職務内容が「公権力の行使」に該当するとみなし、運用上、「日本国籍が必要」との立場。

 このことは、2年前、兵庫県弁護士会から家事調停委員として推薦を受けた韓国籍の梁英子さんが、神戸家裁から就任を拒絶されたことで表面化した。梁さんは当時を振り返り、「私は家裁で仕事をしてきたので、その分野は得意とするものでした。ダメだったことに寂しさがありました」と声を落とした。

 同じく崔信義さん(仙台弁護士会)は、家裁の所長との面談が決まっていたのをキャンセルされた。崔さんは「社会参加して奉仕したいと思っていた。最初は怒り、時間がたつと、ただ悲しくなった」と話している。司法書士の殷勇基さんは、東京の司法書士会から推薦を受けたが、やはりだめだったという。

 近畿弁護士連合会は05年9月、大阪弁護士会館で「外国人の司法への参画を考える」シンポジウムを開き、問題意識の共有を試みた。会員を対象とした事前アンケートの結果でも、圧倒的多数が「調停委員に国籍は不要」としていたからだ。これこそが、実際に現場で調停制度に関わる会員たちの感覚だった。シンポでは「最高裁の運用は極めて形式的」「調停制度の実情にそぐわない」という声が相次いだ。

 近畿弁護士連合会としても「調停委員の業務に実質的な公権力性は認められない」との結論に達し、05年の同弁護士連合会の第27回大会で「外国籍者の調停委員任命を求める決議」を採択している。決議に基づき外国籍の調停委員採用を求めるプロジェクトチーム(吉井正明座長)を組織。全国の単位弁護士会に呼びかけながら、外国籍の調停委員候補の掘り起こしを進めてきた。

 近畿弁護士連合会では来年4月の採用に向け、日本弁護士連合会の協力も得ながら最高裁判所に働きかけ、積極的にその運用の変更を求めていくことにしている。

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崩れる「当然の法理」
消防団員保護司も

 近弁連の実施した調査によれば、地方の消防団員や、犯罪者の更生保護などに関わる保護司に外国籍住民が就いている。これらはいずれも「公権力の行使」に抵触するとされ、日本国籍者に限定されてきた職務。だが、現実に外国籍者が就いていても、具体的客観的な支障は出てはいない。

 消防団員は、地方ではなり手がいない。「阪神大震災のような火災では消防団員が絶対必要」とされる。浜松市ではブラジル国籍者が就いている。このほか、長野県真田市、滋賀県大津市、福岡県杷木町で外国人の入団が確認されている。

 消防庁では「活動は公権力の行使をしないという範囲であることを、外国人にご理解いただいたうえで、入団については地元の市町村や消防団と相談するよう話している」という。

 保護司については、「保護司との約束を守らなかった場合などに、仮釈放の取り消しを保護観察所長が申請する措置もあり、公権力の行使にあたることから起用は難しい」というのが法務省の見解だ。しかし、近畿弁護士連合会が法務省に照会したところ、日本国籍を有していない4人の存在が明らかになった。法務省保護局の調べでは古くは81年、最近では昨年にも1人選任されている。

 保護局では、「4人については、対象者に対する援助的な仕事や犯罪予防活動など、公権力の行使にあたらない活動をもっぱらやってもらっていると把握している」と話している。

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調停委員とは

 地裁や簡易裁判所で行う民事調停委員と夫婦・親族間の問題を扱う家庭裁判所での家事調停委員がある。原則として40歳以上70歳未満の弁護士、医師、大学教授、公認会計士、司法書士など専門家から選ばれる。位置づけは非常勤の裁判所職員で2年ごとに交代。07年現在、全国で2万人を数える。

(2007.10.10 民団新聞)
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