| | 共同会見に臨む朴大統領（左）とオバマ大統領 | | | 15日に米国防総省（ペンタゴン）を訪問、儀杖隊を閲兵する朴大統領 |
「韓中」と両立可能 オバマ大統領 ＴＰＰへの関心を歓迎 16日に30分間と予定されていた朴槿恵大統領とオバマ大統領との単独首脳会談は1時間10分に延び、昼食拡大会談と記者会見を合わせて両大統領は3時間を共にした。単独首脳会談では「強力で、進化する、躍動的な」韓米同盟関係を再確認し、同盟関係を一段階さらに発展させる戦略的協力強化方案を議論。拡大首脳会談では、両国間協力の対象をサイバー安保、宇宙、エネルギー、環境など「新しい分野」（ニューフロンティア）に拡張することで合意した。 東北ア地域の平和・協力へ 多国間協議推進で一致 両首脳は、韓米同盟の強化、交易および経済関係の深化をはじめ、地域協力▽新しい協力分野▽人的交流の強化など両国の主な協力事項を盛り込んだ「韓米関係現況共同説明書」を採択した。 双方は韓米同盟に関連し、韓国に対する米国の防衛公約を確認、同盟の現代化および連合防衛態勢強化を持続することで合意した。両国はこのため外交・国防長官級の2＋2協議を定例化することにした。 また交易および経済関係を深化させることに合意し、韓米自由貿易協定（ＦＴＡ）の履行状況を評価する一方、環太平洋経済連携協定（ＴＰＰ）に対する韓国の関心に対し米国が歓迎意思を明らかにした。 地域協力と関連して、米国は朴大統領の「東北アジア平和協力構想」を歓迎し、そうした対話が地域内の信頼を構築して多様な域内の挑戦に対処することに寄与することができると評価した。韓米日協力を拡大する一方、韓日中協力の強化に努め、3カ国首脳会議を推進することに対しても歓迎意思を表明した。 両国はテロ・暴力的極端主義への対応協力などグローバルパートナーシップを強化し特に宇宙協力、保健安保協力、サイバー安保、気候変動など「新しい協力分野」も深化させることで合意した。これとともに文化財返還や青年交流協力など人的交流も活性化する。 さらに両国のマクロ経済政策に対する理解を高める一方、創造経済関連の協力拡大、両国間の高位級経済協議会の再開などでも合意した。 朴大統領とオバマ大統領は、16日の韓米首脳会談後の共同記者会見で、「韓国の中国傾斜論」について言及した。 朴大統領は「オバマ大統領は『韓米関係と韓中関係の両立は可能だ』と述べ、韓国の対中国政策を支持した」と強調した。 オバマ大統領も「（韓米）関係にひびなど入っていない。同盟はかつてなく強固だ」と表明。「韓国が、米国と良い関係を持つからといって中国と良い関係を維持するなという決まりはない」とし、「時々は、朴大統領が習近平中国国家主席と会えばそれが米国に問題になると考える人がいるが、米国は、韓国が中国と良い関係を築くことを歓迎する」と述べた。 同時に「もし中国が国際規範と法の順守で失敗をしたら、韓国が声を上げるべきだと朴大統領に要請した」とし、「われわれ両国は国際的な規範や規則から多くの恩恵を受けてきた。規則が弱められるのを見たくないし、それは韓国を含め、誰にとってもよくないことだ」と付け加えた。 現在、中国による国際規範無視の事例として米国が念頭においているのは、南シナ海の領有権をめぐる問題だ。「南シナ海問題」で、韓国の見解表明を求めたものと受け止められている。中国は現在、南シナ海一帯での領有権を主張しており、ベトナム、フィリピンなどと対立している。 対北韓政策について朴大統領は「北の挑発と脅威でわれわれの対北政策が変わることはない」とし、「北の挑発には断固として対応するが、対話のドアは常に開き、信頼を構築する努力を続けるという原則がある。それが対北政策の基調だ」と強調した。緊張緩和を目指すとした8月25日の南北合意について、「合意を円満に履行し、和解と協力に向けた具体的な措置を実践することで関係改善のモメンタム（勢い）を生かしていきたい」と述べた。 オバマ大統領との会談の結果に関しては、「両国は北韓の挑発を抑制するため、中国、ロシア、日本を含む国際社会と協力を引き続き強化し、予定されている多国間会議を最大限に活用することにした」と述べた。その上で、「韓米日3カ国協力に基づき、中国などとの協議も深めることにした」と強調した。 韓日中首脳会議、韓日首脳会談も 議長国として11月1日にも韓国で開催予定の韓日中首脳会議については「オバマ大統領はこの3年半、中断していた3カ国の協力を復活させた韓国の役割を評価し、（韓日中）首脳会議に高い期待を表明した」と紹介。「このような対話が地域の2国間関係の改善につながるとの認識でも一致した」と述べ、韓日関係改善につなげる考えを示した。 朴大統領は、15日のシンクタンク「米戦略国際問題研究所」（ＣＳＩＳ）での演説および質疑応答で「韓日中首脳会議は東北アジアの平和のためにも必要であり、またそれを通じて2国間の関係改善も可能」とし、「（韓日中）3カ国首脳会議が3年ぶりに、11月初めに（ソウルで）開かれる予定だ。安倍晋三首相との首脳会談をその機会に持つことができると考える」と明らかにしている。 オバマ大統領も韓日中首脳会議について、「前向きな関係を築く新たな取り組みだ」と評価。その上で韓日関係について「日本との交流を進めることにより、今も残っている困難な歴史問題が解決し、東北アジア地域協力に協力的で前向きな関係が生まれることが私の希望だ」と表明した。 朴大統領は、米日などが大筋合意したＴＰＰについては、「すでに高いレベルのＦＴＡを締結している韓米両国はＴＰＰでも自然とパートナーになれると思う。両国は韓国の（ＴＰＰへの）参加問題についても今後、緊密に協力することにした」と明らかにした。 （2015.10.28 民団新聞） |
