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第58周年光復節 金宰淑・中央本部団長慶祝辞
祖国の平和・安定に寄与しよう…北韓は核開発即刻中止を
在日社会の持続的発展へ…未来切り開く決意新たに

 親愛なる同胞の皆さん!

 第58回目の光復節にあたり、すべての在日同胞の皆さんとともに祖国解放記念日を心からお祝いしたいと思います。また、民族の独立のために闘った殉国烈士と、今日の躍進する祖国を築き上げた先烈の方々の犠牲的努力に対し、厚く敬意を表する次第です。

 8月15日はわが民族が、日本の植民地支配から解き放たれた日であります。当時、日本で差別や偏見などで辛酸をなめてきた在日同胞も「解放国民」として自由を取り戻した日であります。わが民族にとって、まさに失われた光が復活した喜びにあふれる慶祝の日であります。

しかし、昨今のわが国と在日同胞社会を取り巻く状況は厳しく、光復の喜びとは裏腹に実に憂慮すべき暗雲が立ちこめています。平和と人権を軸に、21世紀に明るい展望を期待し、努力してきた私たちの願いとは、遠く離れた状況と言えましょう。

 北韓の金正日国防委員長は、軍事最優先の「強盛大国」づくりに奔走し、核やミサイル開発などの一連の平和破壊策動をこととし、わが民族の生存を脅かしているばかりか、東北アジアを緊張状態に突き落としているからです。

 のみならず、自国の経済を破綻させ、数百万にもおよぶ北韓同胞を飢餓に陥れており、命からがら北韓を離れざるを得なかった数十万名におよぶ脱北者を続出させています。さらには、昨年9月17日、韓国の赤化統一工作を企図し、その工作員を養成するために日本人を拉致したという驚愕の事実も、こともあろうか金正日委員長の口から明らかになりました。

 親愛なる同胞の皆さん!

 皆さまもご存じの通り、小泉政権の登場とともに靖国神社の参拝や、教科書問題など、日本社会は右傾化傾向を色濃くして来ましたが、北韓の核開発と日本人拉致問題が、右傾化へさらに拍車をかけています。

 昨今、日本の一部の軽薄な政治家らが植民地時代の「創氏改名」は、当時の朝鮮人たちが願っていたとか、日帝の植民地統治は「国連」が認定したなど、歴史的事実までを無視した妄言を重ねています。

 それだけでなく、北韓の核と拉致問題を口実に外国人排除を主張する排外主義的な傾向も著しくしています。

 このような風潮は、日本人との共生を心から願い、すすめてきました、われわれの地方参政権運動に大きな阻害要因として作用しています。さらに一般的な日本人にとって、韓国、朝鮮の識別も困難であり、在日同胞は甚大な被害を被っています。

 われわれは、このように在日同胞社会に降りかかっている災難のすべてが、北韓によるものであるという事実に怒りを禁じ得ません。また、日本社会の時代逆行的な風潮に対しても深く憂慮を表明せざるを得ません。

 親愛なる同胞の皆さん!

 北韓の核問題の解決のために、8月27日に「6者会談」が開催されると報道されています。この会談の行方は、ひとえに北韓の誠意ある姿勢にかかっています。

 北韓が核保有と開発を完全に放棄し、これを国際的な査察によって透明性が保証されなければなりません。北韓が核問題に対して、鮮明な姿勢を示すなら、「会談」は成功すると思います。そして、次の段階として飢餓に陥っている2千万の北韓同胞に対する国際的な食糧支援と破綻した北韓の経済再生のための改革、開放政策も国際的な支援が可能となるでしょう。

 また、北韓が、対南暴力革命を目的として行った「日本人拉致」問題も、まず、一日も早い事実解明と責任所在を明らかにする一方、被害者に対する補償を表明し、早期解決を急ぐべきです。そして被害者の家族問題は「人道的な次元の問題」として取り組むべきであります。

 親愛なる同胞の皆さん!

 私は、この場におまして、同じ民族であり、また同じ在日同胞である立場から、朝鮮総連組織と総連同胞に次のように訴えたいと思います。

 はじめに、北韓の核問題が、単に韓半島と東北アジアの平和と安定を脅かすだけでなく、日本に住む在日同胞の生命と生活に大きな影響を及ぼす緊急、かつ重要な問題であることから、北韓の核開発の阻止のために全同胞的な反核運動に決起して下さることを訴えます。

 つづいて、日本人拉致問題になんらかの責任が避けられない朝鮮総連は「日本に対する主権侵害であり、拉致被害者の人権蹂躙」であるという拉致問題の本質を内外に明らかにし、一日も早い問題解決のために朝鮮総連が先頭にたつ事を訴えます。

 さらに、当時、北韓を地上の楽園として北送された同胞が、北韓社会の差別と偏見、そして飢餓から脱出するために命からがら日本にまで戻って来ており、その数も増えています。在日同胞の脱北者問題に対し、朝鮮総連は当然のことながら政治的、道義的な責任を果たさなければなりません。しかし、在日同胞の脱北者らに対し、支援どころか、一言半句すら態度表明をしていません。本団は、北送自体を、その出発当初から反対してきました。しかし、本当に危険な道をのりこえ、脱北した在日同胞の悲惨な生活を思う時、人道的な観点から支援の必要性を痛感、「脱北者民団センター」を設置し、救援活動を展開しております。

 この事に関し、総連組織と総連同胞のみなさんが率先して、支援活動に参加してくださるよう心から訴えるものです。

 親愛なる同胞の皆さん!

 われわれは今、逆風の中にあります。先輩らが苦難を乗り越え、克服してきました勇気と知恵を思い起こし、在日同胞が過半世紀の間、培ってきた力量と経験にもとづいて、われわれの意志さえ結集するならば、十分にこの逆境を克服できるはずです。

 昨年、わが国はサッカーワールドカップ大会を日本と共催し、見事に成功させました。韓日両国は、政府レベルから市民レベルまで、かつてないほど友好関係にあり、今後、さらに深まることでしょう。

 特に、北韓の核問題と日本人拉致問題が円満に解決されるならば、在日同胞を取り巻く逆風は静まり、良好な環境がつくられることと思います。

 われわれは、未来に対する確信と当面課題である北韓の核開発の阻止、そして地方参政権、さらには民族金融機関の育成、次世代の育成などの課業を果敢に取り組んでいきましょう。ひいては、韓日間のより一層の友好親善のために架け橋としての役割を果たしていきましょう。

 本日の光復節を契機に、在日同胞社会の持続的な発展のために在日同胞の持てる力を結集し、希望に満ちた未来を切り開いていくことを、皆さんとともに誓いながらご挨拶に代えさせていただきます。

2003年 8月15日
在日本大韓民国民団中央本部
団長金宰淑

(2003.8.15 民団新聞)
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