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ゾッとする話 織井 青吾(作家)

 原爆投下から60年ということで、拙著『原子爆弾は語り続ける』(社会評論社)のこともあり、同窓会もあったりで取材かたがた広島に行ってきた。

 行ったといっても、わたしの場合、中学3年生のとき原爆に遭った高師附属中学は退学になっており、卒業したのは修道高校であるから、両校の学友に会うことになる。

 そんなことから、この度わたしは、附属中学の1年先輩になるYが被爆直後の8月16日に書いた手記のコピーを入手した。文語体で書かれた、つぎのような一文である。(原文のまま)

 「‐夜空を照らす火勢、尚も市の西郊に見ゆ。混乱に乗じて鮮人の暴動を警戒しつつ、眠られざる一夜を明かし‐」

 当時、韓国朝鮮人の4万から7万人近くが広島で原爆に遭っているが、彼等の口から直接わたしが耳にしたのは、その反対で「日本人から殺されるのではないか…」と一様に恐れていたという。1923年の関東大震災で同胞が虐殺された事実があれば、それは当然であろう。それを日本人は気づいていなかった。

 ところが、日本人Yの一家は韓国朝鮮人が暴動を起こすのではないかと危惧したとある。そういったことが導火線となり、かの関東大震災の時と同様な大惨事が起きていたとしても、不思議はなかった。

 それを想うとゾッとする。Yの一文を目にし、慄然とした。げんに、原爆ドームの近くで米人捕虜が虐殺されている。幸い、あの時在日の人々は虐殺されずに済んだが、歴史は繰り返すという。差別はいつ何処で手を変え品を変えて現れるかもしれない。

(2005.11.16 民団新聞)
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