グリーン政策を扱う「グローバル・グリーン成長研究所」（ＧＧＧＩ）が10月23日、ソウル市内のホテルで創立総会および理事会を開き、国際機関としての活動を本格的に開始した。さらに韓国は、技術を支援するグリーン技術センター（ＧＴＣ）に続き、資金を扱う「グリーン気候基金」（ＧＣＦ）の事務局誘致に成功したことにより、政策・技術・資金の3本協力体制を整えた。今後、グリーン成長のシナジー効果に向けて、韓国は名実ともにリーダーシップを発揮するとみられる。

3本柱確立＝政策・技術・資金

　ＧＧＧＩは二酸化炭素の削減、環境と経済活性化を両立させる「グリーン成長」の実現を目指す研究機関として、2010年6月に韓国主導により非営利財団法人として発足。国際機関の設立に関する協定発効にともない、2年4カ月にして国際機関への転換を果たした。

　事務局はソウルに置かれ、理事会は韓国、デンマーク、オーストラリアなど資金供与国5カ国の代表など17人で構成される。韓国はこれまでにブラジル、エチオピア、インドネシアなど17カ国のグリーン成長を支援してきた。今後、開発途上国のグリーン成長を後押しする役割を果たすことになる。

　ＧＣＦの臨時事務局は来年2月から、仁川・松島の国際機関専用ビル「アイタワー」への移転を開始し、来年中に正式に事務局として発足する。20年までに最大で総額8000億ウォンの基金造成を目指しており、国際通貨基金（ＩＭＦ）や世界銀行（ＷＢ）に匹敵する世界的な機構に発展する可能性もある。

　まず、事務局に決まった仁川の経済再生に直接的に寄与すると期待される。韓国開発研究院（ＫＤＩ）はＧＣＦ事務局の誘致にともなう経済効果が年間3800億ウォンにのぼると推算した。雇用創出効果など、仁川の松島経済自由区域の開発に弾みがつきそうだ。さらに、ドイツのボンやスイスのジュネーブと最後まで誘致合戦を繰り広げた末に決定しただけに、国際都市に躍進する可能性を秘めている。

　外交通商部の金星煥長官は「ＧＣＦは国連気候変動枠組条約締結国会議の合意で設立された『グリーン銀行』であり、資金面や重要性で世界的規模の国際機構といえる。今後、韓国が国際機構のハブ国家に成長していく土台ができたと考えられる」と誘致の意義について語った。

　韓国大統領選に出馬した朴槿恵（与党セヌリ党）、文在寅（民主統合党）、安哲秀（無所属）の有力3候補も一様に評価した。韓国貿易協会や全国経済人連合会、大韓商工会議所などの経済団体も、「大韓民国の経済外交史におけるもう一つの快挙だ」とコメントした。

　外交通商部は8月、全国の大学生と大学院生100人をグローバルグリーン成長サポーターズに任命した。今後、ＧＧＧＩ・ＧＣＦ事務局で働く若者が韓国をグリーン強国に発展させ、「漢江の奇跡」のように「グリーン韓国の奇跡」を起こすものと期待されている。

（2012.11.7　民団新聞）