国連人権高等弁務官事務所(OHCHR)は6月23日、ソウルで北韓の人権状況を監視するための拠点となる国連北韓人権事務所の開所式を行った。 ソウル国連人権事務所は、北韓で組織的かつ広範囲に行われている人権侵害の責任を糾明するため、その状況をモニタリング、記録し、証拠を保存する役割を担う。また、北韓の人権問題を世界各国に知らせ、関係国の政府や市民社会の関与を促す。 開所式にはゼイド・フセインOHCHR代表、尹炳世外交部長官、洪容杓統一部長官らが出席した。 ゼイド代表は祝辞で「北韓では依然として数百万人が全体主義のシステムに閉じ込められ、自身の自由を否定されている」と強調、「数万人は政権に忠誠を尽くさなかったという理由で、これよりさらに恐ろしい運命の中で苦痛を受けている」と北韓の人権状況を厳しく批判した。 国連は、2013年3月に北韓人権調査委員会(COI)を設置。COIは昨年2月、調査活動をまとめた報告書で、北韓について「国家政策によって組織的かつ広範囲に人権侵害を行っている。これは反人道的犯罪だ。これほどの人権侵害がまかりとおっている国は、現代では類を見ない」と批判し、責任追及などの措置を取るための組織を設置するよう提案した。 国連人権理事会はCOIの勧告を反映した決議を採択。OHCHRに対し、北韓の人権状況を監視、記録するための現場組織の設置を要請した。 国連は事務所の候補地を検討した結果、韓国が最適と判断し、韓国政府と事務所開設に向けた協議を重ね、今年5月に覚書を交わした。 (2015/07/08 民団新聞) |