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半世紀へて甦った北送事業の「別れ」…新潟港で9万3千人の記録写真集
 「教育も医療も無料の社会主義国」「地上の楽園・共和国」。朝鮮総連が嘘と甘言をばらまきながら鳴り物入りで展開した北送事業(1959〜84年)は、在日朝鮮人と日本人妻9万3000人余を「この世の地獄」に落とし込んだ。その歴史の事実を記録にした『写真で綴る北朝鮮帰国事業の記録‐帰国者九万三千余名・最後の別れ』(小島晴則著、675頁)が出版された。

自責の念から出版決意…著者の小島氏

 小島さん(85)が新潟埠頭で撮影した約3万枚のなかから数百枚を精選した。朝鮮人集住地区における住民総出の帰国者の見送り、地域別や職能別に「帰国者集団」の幟を掲げて新潟に集まってくる人々、日本での最後の数日間を過ごす新潟日赤センターでの生活、遺骨を抱いたり看護師に支えられたりしながらの帰国船への乗船、船に乗り込む人々と見送る人々が目を潤ませながらの今生の別れなど。

 著名人では出港直前のデッキに立ち、「オーソレミヨ」「荒城の月」を歌うテナー歌手永田絃次郎さん(本名、金永吉)や、韓国から密航し日本でマンホールの絵を描き続けてきた画家絃良奎さんの姿も見られる。

 小島さんは日本共産党が中心となって組織した在日朝鮮人帰国協力会に所属。北送事業の最前線、新潟で事務局長として活動していた。当時は北韓の社会主義を盲目的に信じていたときのこと。船を見送るたび、不思議な高揚感に浸っていたという。

 小島さんが異変に気付いたのは、北送事業が始まって2年目の60年代初めごろ。日本に残された家族のもとに「石鹸をおくれ」といった生活の窮乏を訴える手紙が来ているのを耳にしてから。本書にも小島さんのもとに届いた手紙を多数収録した。なかには「返事を下される時に1万円でもいいですから、じょうずにして手紙の中に入れてくださいませ。本当に本当にお願いします」というものもある。

 決定的だったのは64年、小島さんが日朝協会の一員として北韓を訪問したときのこと。一般の人と党幹部の格差に「とんでもない国だという実態を知った。歴史の証言者としていつかは世に問わなければならないとのの気持ちを強くした」。

 高柳俊男さん(法政大学国際文化学部教授)は本書に寄せた序文のなかで「当時は善意や正義感で関わったとはいえ、疑問なく送り出してしまったことへの後悔や自責の念が込み上げて来る。その無念の思いや責任感への自覚こそが、本書を編むに至った最大の動機になっていよう」と推察している。

 小島さん自身、「私の思いが根底にある」と3年半もかけて出版に至った動機を次のように語った。「あの当時、喜んで帰ったのはごく少数。日本人妻はもとより在日朝鮮人も、特に年配の方は大変深刻な表情をしていた。写真を見つめながらあらためてその思いを強くした。単なる怒りでも、ましてや北朝鮮に対する告発本でもない。日本はその国とどう向き合っていけばよいのか。帰国事業を通して考えていただければうれしい」

 定価3500円(税別)。高木書房(03・5855・1280)。

(2017.1.25 民団新聞)
 
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