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副題に「日本・韓国和解への道」とあるように、韓日問題を読み解く23の提言を、韓国出身の国際法学者で、日本大学の准教授を務める著者が説いている。
高校時代から日本留学を夢見ていた。縁あって、日本と米国で学び、米国で教鞭もとった。これらの経験をメディアを通じて日本で発信しようとした矢先に飛び込んできたのが、李明博大統領(当時)の独島上陸だった。それを機に、日本は「嫌韓」一色と言っていいくらいの様変わりを見せた。
昨今の韓日外交の場面では、本来は妥協の中で落としどころを探り、納得できる地点で妥結していくものなのに、自らの希望が100%通る成果以外は評価しない。他者との対話や寛容さを失っている。虚心坦懐に心を開き、自らへ向けられた言葉を受け入れる姿勢に欠けていると指摘する。
韓日の「境界人」として生きる著者が、両国民に望むことは、枝葉末節の情報の収集に汲々とするのではなく、身近な所から相手国の大多数が何を考え感じているかをつかむこと、相手を「理解不能の存在」と見る視点から抜け出すことが今最も必要とされると結論づける。
国交正常化50周年の昨年、対談した東京大学の姜尚中名誉教授との「韓日関係の未来像」も収録されている。
金惠京著 集英社インターナショナル (1500円+税) 03(3230)6080
(2016.4.20 民団新聞) |
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