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全国で永住外国籍住民に住民投票権を付与する動きが急速に高まっています。現在すでに1都1府23県にまたがる47自治体が条例を制定し、永住外国籍住民も住民投票に参加できるようになりました。
住民投票権付与の動き加速化
昨年1月、滋賀県米原町が全国で初めて永住外国籍住民に住民投票権を付与して以来、毎月3自治体の割合で増えている計算になります。
住民投票は、自治体がかかえる重要事案の是非を直接住民に問うものです。現在、もっぱら市町村合併問題が自治体の焦眉の懸案となっております。日本政府は、現在3000余の全国自治体数を1000自治体ほどにしようとする方針で、これに各自治体が対応を迫られているからです。
永住外国籍住民に地方参政権を付与するには、国会で法律を制定するしかありません。それに対し、この種の住民投票は自治体が独自に条例を作って決めることができます。
私たちのこの間の地方参政権獲得運動によって、全国自治体では永住外国籍住民を「同じ住民」として対等に処遇する「共生のシステム」が確実に拡がっています。公務員採用における国籍条項の撤廃や、無年金障害者・高齢者に対する自治体独自の救済措置が全国に拡がっており、住民投票に外国籍住民を含めるのも共生のシステムの一環です。
地方分権の動きと相まって、地方自治体では住民を国籍で差別しない、「住民主義」が着実に定着しつつあります。
国会は地方参政権審議再開を
私たちが住民として強く要求している地方参政権付与法案は、採決段階に至っているにもかかわらず、この2年間国会で審議再開されないまま放置されています。北韓の核開発問題や拉致問題、また中国人の犯罪増加などを理由に、地方参政権法案が国会で審議再開されないでいるとすれば、外国籍住民の「人権」をあまりに軽視しているといわざるをえません。
自治体の共生の動きとは反対に、相変わらず国籍のみを判断基準に外国籍住民を同化と排除でしか見ようとしない風潮があることに危惧の念を禁じえません。この法案が付与しようとする対象は長年日本に住み、日本の発展に応分の寄与をしている永住資格を有する在日韓国人を主体としています。
先日、訪日した韓国大統領は、小泉首相との首脳会談でこの法案の一日も早い実現を要請しました。大統領は国会演説でも、在日韓国人がこの間日本社会と韓日関係の発展に多くの貢献をしたことに触れながら、「地方参政権が付与されれば、韓日関係の未来に大きな寄与をするものだ」と強調しました。
国会は自治体の住民主義を尊重し、外国籍住民の人権保障と共生のシステムを整備するためにも、地方参政権法案を一日も早く成立させるべきです。
(2003.7.2 民団新聞)
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