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| より安定した基盤確立へ 民団中央団長新年辞（03.01.01） |
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在日同胞社会…新しい青写真を描こう
英知とエネルギー結集し全同胞の支えになる組織に
追い風受け「参政権」獲得へ
団結力で経済的苦境克服を
同胞の英知とエネルギーを結集、全同胞の支えになる民団に
親愛なる在日同胞の皆さん！
2003年の新春を迎え、在日同胞の皆さんに謹んで新年のごあいさつを申し上げます。
昨年は私たち在日同胞にとって、韓国人としての矜持を再確認する１年となりました。わが国は日本と共催した世界的なスポーツイベントであるワールドカップサッカー大会を、一体化した国民の底力で成功裏に終えました。
代表チームは４強という快挙を成し遂げ、日本チームもまた16強入りを果たしました。これこそ「ハミョン・テンダ（成せば成る）」の精神を実証したものと言えます。
勝敗もさることながら、過去の一時期に不幸な関係にあった両国が、史上初の共催を契機に様々な文化交流を進展させる過程で、親しい隣人関係を深めたことが、何よりも大きな財産になりました。
もはや「近くて遠い国」という言葉で韓日関係を表すことはなくなったと確信するものです。
その一方で、小泉首相の北韓訪問で明らかになった北韓による日本人拉致問題をはじめ、スパイ船の暗躍と核開発問題が露呈しました。私たち在日同胞は基本的人権と平和への希求を踏みにじる北韓に対して猛省を促すとともに、自由と民主主義を標榜する国家らしい国家への大転換を望むものです。と同時に、北韓の同胞が欠乏から解放され、韓半島のみならず周辺地域に緊張緩和をもたらすためにも、頓挫している日本との国交正常化交渉が軌道に乗るよう見守りたいと思います。
親愛なる在日同胞の皆さん！
わが国は去る12月19日の大統領選挙で盧武鉉候補を次期大統領に選出し、21世紀初頭の国の舵取りをゆだねました。私たちは何よりも次期大統領が毅然とした姿勢で北韓の核開発を阻止し、韓半島の平和定着と安全を確保しながら南北間の真の和解と協力を進展させて下さるよう切に願うものです。
と同時に、対話と交流を基調に、平和定着と統一を視野に入れた対北韓政策の維持・発展を心から望みながら、日本においても朝鮮総連との和合・交流を継続し、在日同胞社会のより安定した基盤確立に全力を傾けたいと思います。
次期大統領には韓日関係の深化と紐帯強化に力を注ぎ、ひいては在外国民と海外同胞の保護と育成、発展に尽力されることを切に願うものです。また、私たち在日同胞も在外国民の立場から本国国民と歩調を合わせ、盧武鉉次期大統領の様々な課題実現に向けての努力に声援を送るものです。
親愛なる在日同胞の皆さん！
地方参政権と密接な関係にある各地の住民投票では、すでに在日同胞が実際に投票権を行使しています。これは自治体が在日同胞を地域住民として認知している証拠です。この追い風を受け、１月の通常国会を皮切りに、開かれた日本社会と在日同胞と日本人との共生関係を実現する参政権獲得に全力を傾けていきましょう。
次に、焦眉の課題となっているのが、民族金融機関の健全な発展を図る問題です。残念ながら、日本の経済不況は今も続いています。それに伴い、在日同胞社会の屋台骨である民族金融機関も苦しい経営を強いられているのが現状です。
しかし、100年に及ぼうとする在日同胞社会は、これまでも幾たびの困難を経ながらも逆境をはねのけ、今日の地位を築いてきました。韓信協傘下の各信用組合では現在、新商品の開発などの自助努力を土台に生き残りをかけて全力を傾けています。健全かつ信頼できる民族金融機関を育て、発展させるのは、在日同胞の使命です。一致団結した同胞の力で経済的苦境を乗り切っていきましょう。
親愛なる在日同胞の皆さん！
私たちを取り巻く環境は日々変化を続けています。世代交代に伴う同胞の価値観の多様化は、これまで以上に民団の許容量の大きさを求めています。また、朝日国交正常化交渉を前にした総連同胞の動向を含め、今年2003年は新しい青写真を描かなくてはならない年になることでしょう。 同胞の英知とエネルギーを結集した民団、同胞の支えになる民団、文化発信ができる民団、そして韓日両国をつなぐ民団として力強く前進していきましょう。
2003年が在日同胞の皆さん一人ひとりにとって幸多い年になることをお祈りしながら新春のごあいさつといたします。
（2003.01.01 民団新聞）
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