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韓国食育の歴史<2> 食が薬
陰陽五行説で調和よく

 誰しもが望んでいることは、若さを保ちながら健康で精力的な活動ができるということではないだろうか。人類はときに病で苦しみに陥ったり、命をも危ぶまれる事態に遭遇することがある。

 このような苦痛から、人類を救った人物とされるのが、古代中国の伝説上の帝王、神農氏だ。薬草を発見したうえに配合も行い、漢方医学の基礎を作ったとされる。これこそ薬食同源であるといわれている所以である。その功績は中国の最も古い医書(漢方の古典)の一つで、後漢時代に書かれた「神農本草経」に収録されている。

 韓国の家庭では普段、子どもたちに「薬補より食補」あるいは、「食が薬」だと言い聞かせている。薬を浴びるほど飲んでも良い食事にはおよばないという戒めである。

 西洋の栄養保健学では、細胞が集まり人間の身体を構成すると考えるのに対し、東洋の栄養保健学は、万物を陰陽の2要素に区分することから始まる。人体に限らず食品もすべて然りである。

 人体の各部位の陰陽は相互が助け合い、必要な要素を補充し合うことで調和が取れ、健康状態を保つことができるが、それが崩れた場合には病を引き起こし、不幸な現象をもたらすという。

 しかし、すべてが陰陽説だけでは不足として、現在は陰陽説と五行説(万物は木・火・土・金・水の5つの元素でできているという説)が融合して陰陽五行説として考えられている。

 韓国では古くから陰陽五行説を信奉し、食生活にも大いに適用されてきた。高麗時代にはすでに各食品に対し、5性(寒・涼・温・熱・平)、5味(酸・苦・甘・辛・塩味)を表記し、正しい栄養管理の指針とした(文献=郷薬救急方)。朝鮮朝時代に至っては、この5行思想は特に宮中料理に顕著に見られる。

 食材が多様でその色彩が華麗なのは、5味と5色(青・黄・赤・白・黒)のバランスを考慮したうえで材料を選定しているからである。ヤンニョンを使ったりと豊富な調理法も用いられている。まさに薬食同源の実践がなされたものと考える。

 王家のお膳は格調が高く、見た目にも豪勢である。食材の重複を避け栄養的にバランスが取れた食事であるべく、このような規範が確立されたのは朝鮮朝中期である。韓国では前々から朝食を1日3食のなかで最も重視している。これは栄養学的からみても至極科学的で合理的である。朝食を重要視することが食育にもつながり、身体のリズムを円滑にするのに効果的であるからだ。

料理研究家 姜連淑

(2008.2.27 民団新聞)
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