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<生活>韓国語で人生を豊かに 美容師の土肥身江子さん |
「知識や友は宝物」
「同じ人間だし隣国同士なんです。こんなに往き来しているのに、少し違うところを理解できないために誤解が生じています」。美容師とへアメイクを兼ねる土肥身江子さん(39、東京・渋谷区)にとっての韓国語は、「生活の一部」。
朝は必ず、朝鮮日報のサイトに目を通すことから始まる。疑問や分からないことは、その場で調べていく。
今年、美容院のオープンから丸1年を迎えた。この間は仕事に追われ、好きなサーフィンは遠のいた。余裕も少し出てきたことから、何かしたいと考えていた。
土肥さんはこれまで、撮影現場にも立ち会ってきた。10年以上前、日本のカリスマ美容師ブームが起こったとき、日韓共同制作のドキュメンタリー番組が制作された。このとき、日本の女性カリスマ美容師の一人として、両国の美容の差異について体験レポートを手がけた。
「街で髪の毛を切らされたり、ヘアーショーにいきなり出ろと言われたり。言葉は分からないからあいさつもできない。全然、相手にされていないイメージがあって、その当時は大嫌いでした」。だが、このときに関係者から教わった韓国の徴兵制度や、基礎知識は土肥さんの糧になっている。
近年、駅や街中でハングル文字を見かけるようになった。「こんなに身近にあるけど、遠い言葉。隣の国なのに考え方も分からない。近くて遠いというのは10年前にも感じていたけど、そのときも同じでした」。その矢先、大好きな韓国人俳優、ウォンビンさんの軍入隊を報道で知った。期間は2年間。「そのとき、2年間で人間はどのくらい変われるのかと思ったんです。ならば韓国語を始めようと情報を集めました」
休めるのは火曜日だけ。偶然、民団に問い合わせたとき「週2回はやらないとだめ」だと断られた。「でも私、負けず嫌いなんです。くやしいと思って、だったら行ってやろう」と心を決めた。今年で2年半。入門から慕ってきた講師が中級から、上級で教えることになった。級友は中級に留まったが、土肥さんだけ「頑張るからついていきたい」と飛び級した。
仕事を通し懸け橋の夢
今、韓国の芸能関係者との人脈が広がりつつある。「ヘアメイクの仕事を通じて、双方の気持ちや価値観、いいところも悪いところも分かれば物事はスムーズにいくと思います」。将来、懸け橋のような仕事がしたいし、ウォンビンさんの髪の毛を切るのが夢。さらに学習に熱が入る。
「言葉とともに知識や友だちだったり、沢山の宝物をいただいています。これをみんなの宝物にしていければいい。知らない人たちに韓国の良さを教えてあげたいし、知ってほしい。遠かった国は今は近い。早く周りも変わってくるといいなと思います」
(2008.10.22 民団新聞)
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