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記録映画「2・8独立宣言」完成
共生の未来像提示…90周年式典で上映へ;
在日韓国YMCA
「2・8独立宣言」90周年に合わせ、在日韓国YMCA(李鍾善理事長、金秀男総務)が創立100周年記念事業の一つとして準備してきた記録映画「2・8独立宣言」(金聖雄監督)が完成した。この映画は当時の留学生たちの決死の独立運動を紹介しながら、同時に独立運動に理解を示した日本人弁護士にもスポットをあて、共生の未来像を提示している。7日午前10時30分から在日韓国YMCA地下ホールで開かれる90周年式典で上映される。
映画は約30分。韓国の抗日独立運動史上に輝かしい足跡を印した「2・8独立宣言」の意義と当時の時代背景を資料映像と在日韓人歴史資料館の姜徳相館長へのインタビューなどで浮き彫りにした。
このほか、在日本朝鮮基督教青年会館(現在の千代田区西神田3〓5)で決議文を読み上げた金度演氏が肉声で当時の決起の模様を語っているほか、独立宣言書を朗読した白寛洙氏の遺族が語る独立志士の横顔も興味深い。案内人は在日同胞ミュージシャンの趙博さんが務めている。
逮捕・起訴された学生たちは、反乱罪で重罰に処されてもおかしくなかった。にもかかわらず、軽い出版法違反の判決で済んだのは、当時一流の弁護士として活躍していた布施辰治の存在があったからだ。映画では布施弁護士の孫、大石進さんに祖父の人間像について語らせている。
2・8独立運動の舞台となった在日本朝鮮基督教青年会館は関東大震災で焼失し、韓国国内にわずかに残されていた資料も韓国戦争の混乱のさなか灰燼に帰した。「絵になる資料がない」なか、金監督(45)は「あの厳しい時代状況のなか、決死の覚悟で声を上げ、時代を変えていった。あの2・8の熱をどう伝えるのかに腐心した」という。
また、在日韓国YMCAの実務責任者、金総務(60)は「2・8独立運動を過去の出来事ではなく、これからの未来とどうつながっているのかを在日韓国人ばかりか日本人の若い世代にも考えてほしかった。その答は留学生たちの独立運動に理解を示し、支援を惜しまなかった日本人弁護士の取り組みにも現れている」と制作の動機を語っている。
在日韓国YMCAには昨年、「2・8資料室」が開設されている。金総務は「今度は映像資料でアピールしていきたい」と意欲を燃やしている。
(2009.2.4 民団新聞)
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