地方本部 HP 記事検索
特集 | 社会・地域 | 同胞生活 | 本国関係 | スポーツ | 韓国エンタメ | 文化・芸能 | 生活相談Q&A | 本部・支部
Home > ニュース > コラム
日本の息子と、韓国の父…篠藤 ゆり(作家)
 日本の伝統芸能の継承者と、韓国のアーティストが、不思議なことに「アボジ」「息子」と呼び合っていた。息子は、能楽囃子大倉流大鼓の大倉正之助さん。アボジは、若い頃カリスマロックドラマーとして活躍し、チョウ・ヨンピルなど多くのアーティストを育て、後にお米一粒に般若心経283文字を書いた、打楽器奏者で書家の金大煥さんだ。

 金さんは日韓の交流がまだ乏しかった80年代から、ジャズの山下洋輔さんなど日本の一流ミュージシャンたちと共演を重ねてきた。彼によって「韓国」と出会った人も多く、大倉さんもその一人だった。

 二人が知り合ったのは10数年前。音楽とオートバイを通じて絆を深めていくなかで、大倉さんは自分が日韓の歴史についていかに無知だったかに気づき、韓国や中国と日本の関係について真剣に考えるようになる。戦後50年の年には金さんと共に、朝鮮半島から徴用された人々が命を落とした松代大本営で鎮魂の演奏をし、在日コリアンのイベントに参加したり南北統一への思いも共有するようになった。

 やがて金さんは大倉さんを「日本にいる息子」、大倉さんは金さんを「韓国のアボジ」と呼ぶようになる。私は、人と人の出会いによって新しい扉が開くさまを間近にみて、ある種の感動すら覚えたのだった。

 残念ながら金さんは昨年亡くなったが、目に見えないたくさんの種を、日本に撒いてくれた。

 なにより、生身の人間どうしが向き合ってこそ本当の理解と友情が生まれるのだということを、私たちに教えてくれたように思う。
(2005.06.29 民団新聞)
最も多く読まれているニュース
差別禁止条例制定をめざす…在日...
 在日韓国人法曹フォーラム(李宇海会長)は7日、都内のホテルで第6回定時会員総会を開いた。会員21人の出席で成立。17年度の報告があ...
偏見と蔑視に抗って…高麗博物館...
 韓日交流史をテーマとする高麗博物館(東京・新宿区大久保)で企画展「在日韓国・朝鮮人の戦後」が始まった。厳しい偏見と蔑視に負けず、今...
韓商連統合2年、安定軌道に…新...
金光一氏は名誉会長に 一般社団法人在日韓国商工会議所(金光一会長)の第56期定期総会が13日、都内で開かれた。定数156人全員(委任...
その他のコラムニュース
<訪ねてみたい韓国の駅30...
歴史伝える赤レンガ駅舎 赤レンガの駅舎が、行き交う人々を見守っている。 韓国の鉄道の玄関、ソウル駅。1925年に竣工した赤レンガ...
<訪ねてみたい韓国の駅29...
開業100年、世界遺産の玄関 歴史ある古都の玄関には、それにふさわしい風格が備わる。韓国の古都と言えば、新羅の都、慶州だ。その玄...
<訪ねてみたい韓国の駅28...
未来都市のユニークな駅 いかにも未来的な名前のこの駅は、なかなかユニークな存在だ。まず第一に、その立地。ソウルメトロ6号線、空港...

MINDAN All Rights Reserved.