「信頼外交」で世界にも貢献 国政報告 「統一環境の変化と外交政策の方向」(尹炳世外務部長官)「多国間協議システムのない東北アジアは難題が同時多発しており、韓半島の平和定着と地域の新秩序形成にここ数年が分水嶺になる。米国とは史上最善の関係を持続させ、中国とは新時代を築き、日本とは安定的関係の発展へ努力強化する。中堅国ならではの信頼外交によってグローバル・ガバナンスに寄与する」 特別講義1 「最近の北韓動向と南北関係の展望」(民主平統常任委員、金英秀・西江大教授)「金正恩は、将星にも厳しい軍事教練を課すなど軍幹部を締め付け、韓流ドラマにはまる住民を徹底駆逐する一方で、民心の取り込みに腐心している。韓・米に対する敵愾心を団結力維持の手段にしており、南北関係はゼロサム・ゲームの次元を脱していない」 特別講義2 「韓半島統一時代のための方向と課題」(統一準備委民間副委員長、鄭鍾旭・仁川大碩座教授)「統一部に登録された統一運動団体は300余もある。統一・対北政策の差異は大きく、南々葛藤を深化させる要因ともなってきた。統一はコストではなく機会であり、先進国入りへの大前提とする立場から理念的な統合を追求し、国民の共感を育む」 特別講義3 「疎通と芸術」(韓国文化芸術会館連合会会長、高鶴燦・芸術の殿堂代表)「SNSなど意思疎通手段が豊富な時代とは言え、疎通は機器の問題ではなく感性と感性、心と心の問題だ。同窓会で校歌を歌えば50年の歳月も超えて一体感が生まれる。民族情緒豊かな民謡・歌謡など分断の壁を越えて共有しよう」 脱北者と共に生き、夢見て 体験証言 「私の経験した北韓」(池成浩・NAUH代表)「小さな統一とは政治・経済の観点ではなく、人対人の問題のはず。南の一人ひとりが2万5000人に達する脱北者と友人となり、ともに生き、ともに夢見る方法を練習することだ。統一推進だけでなく社会的統合にも最重要な役割を果たす」 在中朝鮮族の支持勢力化を 「分任討論」結果発表 特に注目されたのは中国地域と中東地域だろう。中国は血盟関係の北韓とは疎遠になる一方、韓国とは蜜月関係にある。それでも北韓への影響力は強いだけに、統一問題で同一歩調を確保すべく、民間統一外交を通じて共感帯を拡大するとした。 また中国には、南北のいずれにも往来可能な朝鮮族が200万人近く存在している。だが、韓国内における差別的な処遇から反韓感情を募らせていることに留意し、朝鮮族を基礎的な支持勢力に抱き込む方策の必要性が強調された。 中東地域は、同地域に外貨稼ぎのための北韓労働者が約9000人滞在している点を重視した。彼らに自由はまったくなく、出会える可能性はほとんどないとしても、正確な人員数や居住状況を把握し、緊急事態が起きても適切に対処する態勢を整えたいとした。 在日志願軍は民族史の誇り トピック 玄敬大首席副議長は基調演説の冒頭、在日学徒義勇軍同志会の李奉男会長を紹介し、「在外国民の世界最初の義勇軍参戦は、第3次中東戦争(67年)におけるイスラエルとされてきた。だがその17年前、6・25韓国戦争に在日同胞642人が参戦している。これは海外同胞全体の誇りだ」と称え、「そのような海外同胞一人ひとりの歴史を大韓民国は記憶する。力を合わせ前進しよう」と呼びかけた。 (2014.9.10 民団新聞) |