フランス、英国、ベルギーおよび欧州連合(EU)本部を訪問した朴槿恵大統領は9日、8日間の欧州歴訪を終え、帰国した。今回の訪問で重点を置いたのが、韓国の成長戦略「創造経済」と金融部門における協力強化だ。先端産業の活性化を進めるとともに、韓国企業の中東・アフリカ進出を促す基盤を築いた。 先端産業交流に重点 中東・アフリカ進出も視野に 朴大統領は、世界的な基礎科学力を有し、早くから文化やメディアなど創造産業を育成してきたEU諸国に対し、創造経済を重要政策とする韓国の最適パートナーと考えた。 まず、フランス政府が韓国の創造経済と類似した未来新産業支援政策を行っていることに着目。科学技術および先端産業分野の交流と協力を促進しながら、新たな成長のエネルギーをともに創出し、エコカーや航空、農食品、IT、製薬、生命科学、ロボット、スマートグリッドなどの分野で協力を拡大することにした。 英国の場合、文化コンテンツに韓国のITを組み合わせたスマートコンテンツを作り、韓流と英国のメディア産業が結合して創造経済部門でシナジー効果をめざす。 その一環として、両国の科学技術をリードしてきた韓国科学技術院(KAIST)とインペリアル大学、公共情報の民間活用を担当する韓国情報化振興院と英国情報公開研究所(ODI)が了解覚書(MOU)を締結した。 韓英間の貿易規模も、12年末現在の112億ドルを20年までに200億ドルに拡大させる計画だ。 ベルギーとは、両国の強みである化学と医薬、物流、ICT分野などを中心に創造経済協力を拡大するとともに、科学技術協力協定の締結や科学技術共同委員会の新設協議を推進する。 金融面では、韓国企業の中東、アフリカなど第3国進出を活性化するため、フランス金融機関との協力を強化した。銀行、保険、石油部門など4件のMOUが締結された。 金融先進国の英国とは、輸出入・政策金融機関において30億ドル規模のMOUを11件締結した。英国の金融機関が全世界で進行するプロジェクトと関連したネットワークを広く有するため、このネットワークに韓国企業が参加できる機会を提供しようというもの。その関連で、金融機関の相互進出、第3国への共同進出を促すための官民合同金融協力委員会の設置を確認した。 ベルギーでは、化学大手のソルベーなどEU内の優良企業5社と総額4000億ドルの投資を約束した。 原子力分野においても、フランスと核廃棄物管理など相互補完的な協力を強化するため、年内に具体的な協力事業の内容について協議することで合意を見た。英国とは、原発プロジェクトやエネルギー技術などと関連した7件のMOU締結に合意した。 ■□ 韓国戦争参戦記念碑を着工 ウィリアム王子ら出席 韓国戦争参戦記念碑の起工式が5日、ロンドンで行われ、朴槿恵大統領やウィリアム王子らが出席した。来年7月27日の休戦記念日に合わせて完工する予定。 (2013.11.20 民団新聞) |