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第58回定期中央委員会 04年度総括報告
挑む精神全面に 内外の課題遂行

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1,情勢概括

 昨年の世界的潮流は、平和と安定を模索しながらも、戦争と混乱による激動が主流をなしたようです。

 まず、東北アジアの平和と安定に直結する北韓の核開発問題を取り扱う「6者協議」は昨年6月、北韓が第4次協議を拒否したことで中断状態にあります。北韓は米国の大統領選挙の結果を見ながら、「協議」に対する態度を決定しようとしたようです。全世界が注視する中で実施された米大統領選挙でブッシュ大統領は再選を果たしました。従来の対北政策を維持しながらも、北韓に対し慎重な対処をほのめかしたことから、「6者協議」の早期開催が期待されました。しかし2月10日、北韓は外務省声明を通じて自衛のための核武器保有を公式に宣言するとともに、「6者協議」も無期限中断するという態度を明らかにし、国際社会に大きな波紋を広げています。

 その北韓は、国際社会と韓国から様々な援助を受けているにもかかわらず、経済的には破綻状態にあるといいます。脱北者も継続増加しており、政治、経済、社会すべての分野で不安定な状態が継続しています。

 本国においては国際的な枠の中で、北韓の核開発阻止とともに北韓を支えなければならないという難しさの中で、陣痛をともなっています。また、国内政治の面では、第17代国会議員選挙でヨルリンウリ党が過半数を制し、国政安定の基盤が築かれました。しかし、国論を二分する各種法案を提起したことで、政治的な不安定状態をもたらしています。

 また、日本が朝日国交正常化の先行条件としている日本人拉致問題の解決は、第2次朝日首脳会談の後にも北韓の不誠実な対応が続き、日本国民の対北感情は一層悪化しています。さらに北韓の核保有宣言等の頑迷な姿勢によって、昨年成立している「外国為替法」、「外国船入港禁止条項」等の対北制裁法の実施の可能性がだんだん高くなっています。

 本団はこのように不安定で厳しい状況の中にあって、祖国の国家安保と国政安定のために、全国組織が一丸となって取り組んできました。さらに昨年、日本列島を襲った台風と新潟・中越地震の被害同胞を支援するために相互扶助の精神と同胞愛を発揮しました。転換期という時代的要請に応え、推進してきた重点事業を総括いたします。

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2,地方参政権獲得運動
韓日の世論を盛り上げ

 廃案となった「地方選挙権法案」が、昨年2月19日、公明党により国会に再上程されたことにより、早期獲得をめざして、確固不動たる姿勢を持って積極的に取り組んできました。

 韓日両国政府と国会議員に対する陳情要望活動はもちろんのこと、地方自治体の意見書採択と住民投票権獲得、そして運動の再定立と拡散のための「日・韓・在日ネットワーク」の結成等、各級組織幹部が一丸となってたゆまぬ努力を傾注してきました。

 本国政府に対しては、韓国内の外国人に対する地方参政権付与法案の採択と日本政府に対し一日も早い対応を要望する活動を続けてきました。特に、第17代国会議員選挙の後、新しい世代の国会議員に対し、機会あるごとに理解を求めてきました。このような努力の結果、昨年10月、盧武鉉大統領は青瓦台を訪れた森喜朗日韓議員連盟会長に「早期実現」を求め、本国では定住外国人に対する「住民投票権付与」法案を国会で可決してくれました。このことは私たちの地方参政権運動に本当に心強い側面支援でありました。

 「日・韓・在日ネットワーク」は日・韓・在日の著名人士らの自発的な参与により結成されました。韓日両国でシンポジウムを開催し、今後の運動推進において改めて世論を盛り上げる契機となり、理論を深める契機となるものでしょう。

 一方、「新しい跳躍を期する90日集中活動」では、過去にはない陳情団を支部・地方本部幹部と中央幹部で構成、地方参政権の意見書採択のため積極的に取り組みました。保守人士が反対する逆風の中ではありましたが、ちょうど日本全国を席巻した韓流ブームの影響で、自治体からの快い反応を引き出すと同時に、本団の各級組織幹部の連帯意識と士気高揚に大きな助けとなりました。この間、本団が獲得した1523議会の「意見書採択」と174自治体の住民投票権付与は大きな成果と自負することができます。さらに心強いことは、日本政府に迅速な実現を求めた3自治体の「特区提案」と1議会の「意見書再採択」です。これはまったく動こうとしない日本政府と国会に対して、外国人を共生する住民として受け入れていこうとする自治体の批判でもあります。このような積極的な支持を背景として、地方参政権を必ず獲得するという信念をあらたにし、たゆまぬ努力を続けていかなくてはなりません。

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3,在日同胞社会の和合
信頼醸成への蓄積進む

 祖国の平和統一と在日同胞社会の和合をめざし、画期的な契機を築くために、朝鮮総連にあらためて提議を試みました。91年、千葉で開催された世界卓球大会を契機に、非政治的で人道的な次元に立った在日同胞社会の和合と交流事業は多様な形で取り組まれてきました。大阪本部のハナマトゥリ祝祭に代表される地域自治体との共同行事、京都本部をはじめとする高齢者・障害者給付金等の共同要望活動や各種親睦行事、さらに北韓龍川爆発事件の時の義援募金活動をはじめとして、水害と新潟・中越地震時の相互扶助活動等々、信頼を築く契機となったと思われます。

 中央本部間においても「光復50周年」、「南北首脳会談」、そして「ワールドカップ」時の総連同胞の訪問団等、公式、非公式にわたって会合と文書が行き交いました。特に、00年の南北首脳会談時には在日同胞の諸般課題を扱う「協議機構の設置」まで論議されましたが、朝鮮総連中央の消極的な姿勢のため、実現にはいたりませんでした。 昨年5月、朝鮮総連中央の第20次全体大会を注視しましたが、期待するほどの姿勢の変化が見られませんでした。

 本団は光復60周年を全在日同胞の念願である「在日同胞社会の和合」の好機とみなし、朝鮮総連中央に共同開催を提議しました。昨年、第59周年光復節で中央団長は全同胞の和合の象徴として光復60周年祝祭を呼びかけました。そして、非政治的で人道的な次元に立つ和合交流事業の全国的な推進と00年南北首脳会談時に提議した民団、総連幹部のソウル、平壌共同訪問そして「協議機構設置」を求めました。

 これに対し朝鮮総連中央は途方もない理由をもって拒否してきました。一方、総連内部では朝鮮総連中央が民団中央と直接会うことを要求する声が上がるなど、変化の兆しが見えます。光復60周年祝祭の共催の可能性を信じ、我慢強く持続的な努力を続けていかなければなりません。

 また、憲法機関の平和統一諮問会議に積極的に参与する一方、仁川市で開催された南北首脳会談4周年を迎えた民間次元の行事にも代表団を派遣し、本団の姿勢をアピールしてきました。

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4,組織改革と90日間集中活動
模範例発掘し全国化を推進

 昨年は急変する内外情勢とあわせて、同胞の期待に応える組織改革をめざし「改革元年」という姿勢で幅広い論議と不断の努力を傾注してきました。創団60年を目前に控え、冷戦時代の終焉と高度情報化、さらにグローバル時代は本団幹部の「意識」と組織の「機能」、そして「制度」に対する変革を求めています。

 「意識」改革においてはIT時代に即応し、「民団ネット」システムを開発、昨年9月から8地方本部、5支部で試験稼動に入りました。各級組織間の情報共有と事務能力の向上、迅速なサービス提供のためにIT機器の提供と稼働要領は各級組織幹部の「意識」改革に寄与することでしょう。そして、プレゼンテーションシステムを導入した研修は、時代の変遷と本団の今日の課題をアピールするのに適切でした。とともに、多様な研修プログラム開発の契機となりました。

 「機能」の再照明においては、2年目となった「ウリ支部ウリチャラン運動」を通じ、組織の求心力強化と会館の有効活用という観点から積極的に推進してきました。糢範的な活動を展開している30支部を訪問し、団員間の絆を強くする活動事例を映像に収録し、「支団長交流会」で紹介、好評を博しました。団員に対する迅速なサービスによって信頼度を高めた支部、「デイサービス」等の福祉事業によって求心力を取り戻した支部、あるいはウリマル講習と民族舞踊等、文化事業による多様な「機能」の発揮は、支部組織幹部の研究と努力の賜物です。今後、会館を保有する各級組織では活性化のために良い参考となることでしょう。

 このような「意識」と「機能」を反映させる「制度」改正に関しては、規約委員会において慎重に検討してきました。祖国の分断と朝鮮総連との対峙、そして地方参政権獲得運動の推進という条件の中で、名実共に時代に相応する構成員の範囲と意思決定機関としての参与拡大、さらに急変する時代変化に迅速な対応を可能とする方法等、大幅な改正をめざし多くの意見を収斂してきました。

 一方、光復60周年を迎える上で、全組織幹部の姿勢を確立するために後半期事業として「新たな飛躍を期す90日集中活動」を展開しました。光復60周年の意義と本団に課せられた諸課題に対し、21地方本部で研修と各級自治体135の窓口に各種要望活動を展開して意識高揚とあわせて幹部相互間の連帯意識を育む良い契機となりました。

 機関紙「民団新聞」の改革をめざし、運営委員会の構成と機関紙の紙面刷新、そして民団ホームページの韓日両国語版の制作と内容充実、映像を通じた本団の事業紹介を各種行事の際に試み、良い反応を得ました。改革元年と位置づけた2004年度は、改革の緒についたに過ぎません。明るい同胞社会の具現と全同胞を網羅する組織体として、責任と指導性を発揮する民団となるよう果敢に改革努力を押し進めなければなりません。

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5,民団福祉事業
会館活用し拡散すう勢

 重点方針として取り組んだ福祉事業は「ウリ支部ウリチャラン運動」を通じて、会館の有効活用方案として組織活性化の画期的な契機となりました。父母と年長者を尊重する民族の伝統に基づいた事業であり、近畿地協を中心に拡大する趨勢にあります。そして「特養老人ホーム」建設に、本団は象徴的かつ全同胞的な事業として本格的に取り組んできました。

 先駆的な役割を果たした婦人会と各級組織幹部、そして老人ホームを運営している在日同胞専門家で構成された「民団福祉事業推進協議会」は、中央委員会の後、基本プランと建設候補地の選択、さらに許可官庁との交渉を積極的に展開してきました。候補地においては、福祉事業に対する意欲が西日本に比べ稀薄な東日本に置くことと、静岡県熱海市の好意的な反応もあり、地名度と利便性、自然環境等を考慮し、交渉に臨みました。熱海市の寝台数整備幅の不足という事情が明らかになり、やむを得ず静岡県内広域圏である「知事推薦施設」認可取得に目標を変更することとなりました。

 しかし今年は、いわゆる日本政府の「三位一体の構造改革」により、施設整備費は05年度予算から国庫補助金が交付金に変更されます。介護保険制度も06年度から改正される等、高齢者福祉政策の転換期の年でもあり、各級行政機関は適切な指針ができずにいます。そのために制度変更による調整に対応していかなくてはなりません。21世紀の共生共栄の象徴的な施設として、韓日間であらゆる苦労を経験した当事者であり、日本社会からも疎外されてきた1世の心の安らぎの場「老人ホーム」を一日も早く実現しなければなりません。

 一方、社会福祉法人認可を受けた大阪府地方本部が「ハナ出会いの家」の具体化に着手したのは、非常に鼓舞的なことであります。民団福祉事業は大阪と兵庫をはじめ、東京、京都、滋賀、福岡へと拡散趨勢にあり、研究に着手した地方本部も少なくありません。

 相扶相助の同胞愛に立脚した福祉活動は、地域同胞社会活性化の契機となるものであり、同胞社会の団結にとっても重要な事業です。だからこそ、このような福祉活動を全国的に拡散して行く努力をしなければならないのです。

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6,歴史問題と資料館開設
「存在証明」かけ着々と

 02年に国際的に物議を醸した日本の中学歴史教科書問題が、05年度に再燃します。本団は韓日間の不幸な近代史の当事者として、問題教科書の採択阻止のために先頭に立ってきました。3年前、「新しい歴史教科書をつくる会」の教科書の採択を0・03%にとどまらせる上で一翼を担いました。しかし今回は、困難さを実感として受け止めております。理由の一つは、日本社会の保守化傾向を指摘せざるを得ません。そして、教育委員会の委員として「つくる会」に関連する人物が任命される地方自治体があるためです。

 しかし本団は、「つくる会」の民族感情を呼びさまそうとする意図に巻き込まれないように「望ましい歴史教科書の採択を願う運動」として冷静に対処してきました。「90日集中活動」では、世界とアジアに羽ばたく次世代の日本人の正しい歴史認識は「事実を事実として認めるところから始まる」と訴えてきました。 21地方本部の研修と合わせて支部、地方本部、そして中央幹部の共同要望団が19県、32市、2町の教育委員会を訪れ、要望書を提出しました。

 一昨年の1月、石原都知事の妄言を具体的に批判して好評を得た「あらためて近現代史を考える」パンフレットは教育委員をはじめとして学校等に4万部が配布され、問題点を明らかにしてきました。

 その一方で、在日同胞の派生の根源とみなすことができる乙巳条約から100年を迎える05年に合わせて、本団の歴史的な事業として取り組んできました「在日同胞歴史資料館」の開設と「在日同胞史」の発刊は着実に進んでいます。ありとあらゆる困難の中にあっても堂々と誇りを持って生きてきた1世たちの失われつつある多くの遺品の蒐集は、2世が生きている今でなければ永遠に難しくなることでしょう。「歴史資料館」は私たちの存在を実証する場であり、次世代にとっては民族教育の殿堂であります。日本に対しては問題提起の場であり、正しい歴史認識を育む場になるでしょう。05年度の開設をめざして全団的な規模による「開設準備委員会」を構成し、「調査委員会」活動も着実な成果を収めています。

 「在日同胞史」の創刊のために、中央教育委員会は各界各層の著名人士の積極的な参与を得て着実に進められています。大阪府地方本部の全面的な協力で取り組んだ起草講座は成功裏に持つことができましたし、現在原稿整理に入りました。民族学校はもちろん、次世代育成の教科書として、あらゆる機会で活用されるでしょう。日本に対しては在日同胞社会の足跡を正しく伝える良い案内書になるでしょう。

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7,オリニジャンボリーと次代育成
広がる感動 支援も厚く

 在日同胞社会の次世代を育成する具体的な民族教育事業として、新たな道しるべとなった「オリニソウルジャンボリー」は、過去2回の実績を活かし成功裏に開催されました。特に、今回は夏休みが短い地方本部に配慮し、8月初旬に「感動大国ぼくらの大韓民国」というテーマで開催され、オリニ300人、保護者と引率責任者60人、オリニリーダー120人という規模で実施され、大過なく終了できたことは、成功とみなしたとしても過言ではないでしょう。

 参加したオリニたちの中に土曜学校やウリマル講座に参加したり、本名を取り戻すなどの事例が見られたのは本当にうれしいことです。外交通商部と駐日大使館、そして教育人的資源部と日本の文部科学省等、韓日両国政府の後援と大阪府、大阪市と教育委員会、そして兵庫県と神戸市教育委員会の後援など、本事業を公認してくれたその意義は大きいと思います。 さらに、夏休みであるにもかかわらず、一日入校を引き受けてくれたソウル・江東教育庁と梧琴・漢山両初等学校の温かい同胞愛は、参加したオリニと保護者に深い感動を抱かせました。また、ロッテグループと新韓グループをはじめとした在日同胞の本国進出企業の積極的な支援は、この「オリニソウルジャンボリー」の成功に大きな支えとなりました。

 本事業の主人公は参加したオリニたちですが、もう一つの主人公は「オリニリーダー」たちです。「オリニリーダー」として今回運営を自主的に引き受けてくれた青年会の役割は本当に大きいものでした。その他に学生会と母国修学生、インターネットで応募してくれた青年たちの存在は、本団の後継者として貴重な人材です。

 次世代の育成は本団の課題の中にあって最も困難な事業です。「オリニジャンボリー」は、次世代育成の中心的事業である「オリニ土曜学校」に連動しています。「土曜学校」は16地方、25カ所で実施されており、オリニ臨海林間学校は21地方、27カ所、年末のクリスマスパーティーは21地方、28カ所で活発に開催されています。

 今後「保護者ネットワーク」、そして「ウリマルウリイルム勧奨」にまでつなげていく事業として当該地方本部の努力に敬意を表してやみません。ウリマル講習所は39地方本部202カ所になっており、日本人の履修者が爆発的に増えています。本団の会館を活用した文化理解増進の契機になっている点は本当に望ましいことであります。

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8,潟中越地震と台風被害
相互扶助の精神を発揮

 04年ほどの全世界的な自然災害はめったにないことであります。年末に起きたインドネシア・スマトラの巨大地震と津波は衝撃的なものでした。

 日本も例外ではなく、過去に類例のないあいつぐ台風の襲来、しかも日本列島を縦断したことから幾多の県にわたって被害を及ぼしました。さらに新潟県中越地震の発生まで重なりました。私たち同胞の被害も少なくありません。

 本団は「新潟県中越地震・台風被害対策委員会」の設置とともに、全同胞が参与する「新潟県中越地震・台風災害義援金」運動を展開しました。日本経済がやや回復基調にあるとは言え、在日同胞社会は依然厳しい経済不況の中に置かれています。難しい状況の中、各級組織から送られた誠金は、被害者の復旧努力に多少なりとも力になったと思います。

 このことは各級組織幹部の同胞愛の発露であり、相互扶助の精神を遺憾なく発揮した結果であると高く評価し、この場を借りて深く感謝申し上げます。

 一方、新潟県中越地震とインドネシア・スマトラ沖の巨大地震は、地震大国日本で居住している在日同胞の生命と民族財産を保つ対策講究の必要性を提起しています。

 「震度6以上の地震は、日本全国において何時、何処で起きても不思議ではない」という専門家の指摘を真摯に受け入れ、危機管理要領の策定を早めに整えるべきであります。

 ほかにも、在日同胞社会の権益擁護運動に影響を及ばす鄭香均さんの「東京都庁国籍任用差別撤廃訴訟」の最高裁判所の判決に高い関心を払ってきました。

 昨年12月15日の最終弁論の時と、今年1月26日の判決公判には東京地方本部や隣接の地方本部をはじめ多くの団員の関心を集めました。判決は敗訴であったにしても、東京都の公務員任用制度に限り、その裁量権を認定したに過ぎません。外国人住民の地方公務員及び管理職任用を禁止しておらず、これに対する憲法判断を回避したと見るほかありません。本団は在日韓国人の歴史性を無視し、国籍差別を是認する不当な判決であり、これに屈することなく差別のない共生社会を実現するために、国籍差別撤廃運動をねばり強く推進していかなければなりません。

 そして全国的に開催されている「10月の広場」は29地方本部、35カ所で極めて多彩に行われています。今や「10月の広場」は、在日韓国人のお祭りとして定着した異文化共生社会の広場になりつつあります。

 また、3回を迎える「民団フェスティバル」は、地域に開かれた文化民団をアピールする行事としてさる2月10日から13日までの4日間にわたって盛況裏に開催されました。歴史資料館のために集められた貴重な多くの資料と新たに集められた写真、同時に日本映画に描かれた在日韓国人の姿は、観覧した多くの方々に新たな感懐をもたらしたことでしょう。

 なお、忠清北道清州市とその周辺で開催された第85回全国体育大会には、3、4世で構成された在日同胞選手団が派遣され、海外同胞部門で総合優勝を果たしました。全国地方本部から、厳しい財政にもかかわらず寄せられた支援金で派遣することができたことをこの場を借りて謝意を表する次第です。

 同時に、本団は、今年3月25日から9月25日まで開催される「2005愛知万国博覧会」に対して、共生する地域住民の立場から成功的開催のため万般の準備を整えてきました。

 このように、21世紀初頭、山積みされた課業を力強く推進してきました。積み上げられた実績は各級組織幹部の団結と誠実な努力の賜物であります。全国地方本部と支部、傘下団体、そして関連団体の積極的参加と努力で得られた点を改めて強調し、深謝しつつ事業総括とさせていただきます。

(2005.2.23)
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