三星、現代自動車、錦湖アシアナなど韓国の主要16大グループが486億ウォンを出資して財団法人ミルを設立した。文化コンテンツを活用して韓国のブランド価値を高めるのがねらいだ。 財団事務局はソウル市江南区に置き、10月27日に各グループの代表が参加して懸板式を行った。 「ミル」は龍を意味し、文化でひとつになった韓国が力強く飛躍する願いを込めて命名した。 財団ではエンターテインメント産業に偏っている韓流を、飲食やライフスタイルなどに拡大する「新韓流の世界化」の確立をめざす。外国との共同文化イベントや融合・複合コンテンツの共同開発と配給などで各国と文化交流を広げる計画だ。 また、グローバル統合ベンチャー団地を造成し、文化コンテンツ創作者発掘を支援するなど、海外共同進出支援システムも体系化する。 さらに韓国伝統文化を身近に親しんでもらうことをコンセプトに、伝統韓屋や韓国料理など韓国の文化に関連したストーリーを素材にキャラクター、ドラマ、デジタルコミックなども制作していく。 財団設立の構想は7月に三星など主要大企業の役員が集まった行事の席で初めて出された。 財団理事長を務める金ヒョンス延世大学コミュニケーション大学院長は、「韓流の火種が消えていく中で、企業が個別に文化・芸術分野の経済収益を引き出すのは限界がある。国家ブランド価値を高めることで産業競争力も高まると共感し合い、初めて主要企業が共同事業をはじめる契機となった」と説明している。 財団はとりあえず486億ウォンの資金基盤を備えたが、これまでの韓流産業と大きく異なる戦略はまだ決まっていない。 この件について金理事長は「新しいモメンタムのための資金的基盤を備えたという点で意味がある。トップの任期が短い公共機関に代わり民間企業だからこそできる中・長期的な視野での事業を具体化したい」と述べている。 (2015.11.4 民団新聞) |