地方本部 HP 記事検索
特集 | 社会・地域 | 同胞生活 | 本国関係 | スポーツ | 韓国エンタメ | 文化・芸能 | 生活相談Q&A | 本部・支部
Home > ニュース > 参政権
「韓日が先鞭を」 地方参政権韓国シンポ(04.12.1)
参政権をテーマに開かれた初のソウル・シンポジウム(11月24日、ソウル)
東アジア新時代にらみ

 【ソウル】定住外国人の地方参政権獲得をめざすシンポジウムが11月24日、ソウル市内で開催された。ソウル大学公益人権法研究センターと定住外国人の地方参政権を実現させる日・韓・在日ネットワークが共催し、民団関係者ら200余人が出席した。

 冒頭、民団中央本部の金宰淑団長は、「7日の東京に続く第二弾のソウル・シンポジウム開催で、幅広い世論を形成し、国際化時代に見合う権利獲得に弾みを」と訴えた。在外同胞財団の李光奎理事長も外国人参政権がテーマの韓国初のシンポジウムの意義を強調した。

 龍谷大学の金東勲名誉教授(ソウル大学訪問学者)の司会によるシンポは、一部で「日本での外国人参政権」、二部で「韓国での外国人参政権」を主題にした。

 一部では、金敬得弁護士が「在日同胞にとって国籍と地方参政権とは」をテーマに、国籍の違いを盾にした日本政府のこれまでの排外政策を批判。「われわれの地方参政権を阻止するために、保守派議員らが日本国籍取得緩和法案まで出してきたが、居住国の日本で在日としての権利行使をする参政権獲得の日まで闘おう」と檄を飛ばした。

 続いて九州産業大学の近藤敦教授が、「永住市民権と地域的市民権」と題して報告。ヨーロッパの外国人労働者の定住化にともなう法整備から地方参政権が実現した過程を述べながら、「国民か外国人かの二分論は時代に合わない」と批判した。

 両者の報告について、龍谷大学の田中宏教授は「指紋制度反対の闘いは、在日自身の闘いと難民条約批准を契機にした社会保障制度の改善という外からの圧力によって、成功裡に終えた。参政権獲得も同じ地域社会の構成員として在日が役割を果たすために不可欠だ。ねばり強い運動を」とまとめた。

 大妻女子大学の鄭暎恵教授は、「少子高齢化が韓日で進んでいるが、外国人労働者をどう受け入れるのかという真摯な議論がない。外国人と共存していく社会システムを担保するのが参政権。東アジアで韓日が先鞭をつけるべきだ」と語った。

 二部では、ソウル大学法学部の鄭仁燮教授と亜州大学の呉東錫教授が、韓国での外国人地方参政権の現状報告を行った。呉教授によれば、民団の運動に影響を受けて参政権論議が始まった。外国人の永住権制度がスタートしたのは02年で、参政権の対象となる華僑は1万人弱のため、一般的な関心は低かったという。

 ソウル生まれの華僑で漢城華僑学校の譚道経教員は、「政治的な発言をすると不利益をこうむると信じる華僑は多い」と韓国政府への不信感を露わにしながらも「住民投票法を歓迎する。今後、韓国内での地方参政権確立で差別待遇が改善すれば」と期待を込めた。

 金弁護士らは翌25日、青瓦台(大統領府)や各政党などを訪れ、地方参政権の早期立法化を願う要請文を提出した。

(2004.12.1 民団新聞)
最も多く読まれているニュース
差別禁止条例制定をめざす…在日...
 在日韓国人法曹フォーラム(李宇海会長)は7日、都内のホテルで第6回定時会員総会を開いた。会員21人の出席で成立。17年度の報告があ...
偏見と蔑視に抗って…高麗博物館...
 韓日交流史をテーマとする高麗博物館(東京・新宿区大久保)で企画展「在日韓国・朝鮮人の戦後」が始まった。厳しい偏見と蔑視に負けず、今...
韓商連統合2年、安定軌道に…新...
金光一氏は名誉会長に 一般社団法人在日韓国商工会議所(金光一会長)の第56期定期総会が13日、都内で開かれた。定数156人全員(委任...
その他の参政権ニュース
韓日友好どう進める…日本与...
 今年は「韓日共同宣言」から20周年の節目の年に当たる。昨年秋には、韓日の民間組織が共同申請していた朝鮮通信使がユネスコの世界記...
<寄稿>平和の象徴朝鮮通信...
韓日国交正常化50周年記念共同でユネスコ遺産登録を善隣をより確かに…多彩なイベントで盛り上げよう 明けましておめで...
申請を1人でも多く…大統領...
在日の意思反映へ…団員ら、決意集会で確認 12月19日の第18代大統領選挙に向けた在外選挙人登録申請および国外不在...

MINDAN All Rights Reserved.