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<読書>十字架のある風景…「在日」を我慢しない生き方
 在日のピアニストである著者は、80年代初頭、外国人登録法に定められた指紋押捺を拒否したことにより、法務省から「再入国不許可」の制裁措置を受けた。

 しかし、米国留学の夢を断ちきれず、指紋を押さないまま出国した。生まれ故郷に再び戻る退路を断った片道飛行。協定永住を取り戻す闘いは、後に最高裁へと続いた。

 彼女を突き動かしたのは、アボジ、崔昌華牧師の存在である。NHKを相手取り韓国人の名前を原語読みで読めと提訴する人格権裁判など、多くの人権運動に関わった在日1世のもとで育ったことと無縁ではない。幼少期、日本人とは違う韓国名に違和感を覚えながらも、在日教会で民族と歴史に触れてゆく。

 生まれ育った九州・小倉の思い出を回想すれば、日本の植民地支配に翻弄され、北の共産主義によるキリスト者弾圧、さらに韓国戦争から逃れるために南へ、そして日本へと脱出を果たしたアボジへの理解が及ぶ。娘の原風景は抑圧と闘うアボジだった。

 30年以上前、共生社会を目指して、著者らは指紋押捺を拒否、あるいは留保した。その当時よりも明らかに悪化したヘイトスピーチがまん延する今日の状況に、「隣人であることすら放棄しそうだ」という著者の言葉は重い。だが、愛する隣人・日本のために今日も人権を訴え続ける。

崔善愛著
いのちのことば社
(1500円+税)
03(5341)6922

(2016.4.20 民団新聞)
 
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