【ソウル】国家情報院は5日、内乱陰謀・扇動と国家保安法7条（称賛・鼓舞）などの容疑が持たれている統合進歩党の李石基国会議員を逮捕した。現職の国会議員が内乱陰謀容疑で逮捕されるのは初めて。

　水原地裁は同日、「事案が重大で犯罪嫌疑が疏明される。証拠隠滅と逃走の恐れがある」として、検察当局が請求した逮捕状を発布した。李議員は水原拘置所に収監され、ソウルの国情院本院で取り調べを受けることになった。国情院は李議員の身柄を確保した状態で最長10日間捜査し、14日までに送検する。

　李議員は、主体思想派をルーツとする「京畿東部連合」の元メンバーを中心に自ら結成した地下革命組織（ＲＯ）のメンバー約130人が集まった5月の会合で講演し、韓半島有事の際に石油施設や火薬工場、通信施設などを襲撃するよう指示したなどの疑いが持たれている。その場でのやり取りの模様を収めた録音記録が8月30日に国情院により公表された。

　李議員は国会議員に当選した直後の昨年4〜5月にも、約100人の会合で北韓の主張に同調する発言や北韓の革命歌を歌った疑い（国家保安法違反）もある。

逮捕同意案国会で可決

　これに先立ち国会は4日、李議員に対する逮捕同意案を、出席議員289人のうち賛成258票、反対14票、棄権11票、無効6票で可決した。これにより、李議員は「国会議員は現行犯を除き、会期中に国会の同意なしで逮捕、または拘禁できない」と定められている国会法上の不逮捕特権がなくなった。

　セヌリ党の柳一鎬報道官は「逮捕同意案を与野党が合意して通過させたという意味が大きい」と論評し、民主党の朴用鎮報道官は「民主党は自由民主的な基本秩序を脅かすいかなる勢力も容認しないことを改めて確認する」と明らかにした。

　国情院は8月28日、国家保安法上の国家基幹施設破壊や人命殺傷などを謀議した容疑（内乱陰謀）で洪スンソク統合進歩党京畿道党副委員長、韓ドングン元統合進歩党水原市委員長、李相昊京畿進歩連帯顧問の3人を逮捕している。

（2013.9.11　民団新聞）