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李秀賢奨学基金へ寄金
韓日親善を願い、主に都内を中心に慈善公演を重ねている在日韓国人歌手の白玉仙さん(76)=白玉仙音楽事務所主宰=が、今年中に第50回目の公演をめざしている。白さんは3月9日に中野区の野方区民ホールで第48回チャリテイーコンサートを開き、これまでの観客動員数は3万6000人を超えた。50回の目標実現まではあと2回を残すのみとなった。
記念すべき第1回はキングレコードからリリースした自作の「38度線の母」のお披露目を兼ねて79年12月6日、新宿の東京大飯店で開いた。在日韓国人へのいわれなき偏見を改めてもらおうと、周囲の日本人住民を無料招待したのが始まりだった。以来、年に2,3回のペースで回を重ねてきた。
努力は実り、少なくとも白さんについては「あんた偉いね」「一生懸命やる」と認められるようになった。一方で「売名行為では」という心ない中傷も聞いた。白さんは、「それならば売名でないことを身をもって示そう」とばかり、回を重ねてきた。多いときは新宿文化センターを会場に1500人の観客を集めたこともある。
しかし、公演チケットは無料。1回の公演にかかる費用は付帯設備や会場費、出演バンドへの謝礼と最低でも100万円を超す。86年の浅草公会堂での第10回以降、15回、20回と区切りごとに「これが最後」と心に決めて舞台に立ってきた。新大久保で経営する小さなカラオケパブの収益だけでは限界があった。
転機となったのは01年に新大久保駅で韓国人留学生、李秀賢さんが人命救助かなわず犠牲になった事件。白さんは「事故を風化させまい」と李さんのための哀悼歌「新大久保悲歌」をつくり、05年の第46回からは無料招待からチャリティー形式に変えた。つてを頼りに入場料2000円のチケットを1枚ずつ売り、その代金のなかから1000円を「李秀賢奨学基金」に回した。過去3回のカンパ金は計70万円に達した。
第49回公演は8月10日午前11時に野方区民ホール、記念すべき第50回は11月1日午前11時から豊島公会堂で予定している。
白さんは「体力との勝負。これまでずいぶんお金使ったけど、もうやるっきゃない」と自らを奮い立たせている。
(2008.4.2 民団新聞)
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