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韓国食育の歴史<3> 儒教の教え
配膳にこめる規範

 韓国の伝統的な食生活の形式は、三国時代に主・副食が分離されたことに始まり、朝鮮朝時代には儒教を国策としながら食生活にも大きく変化をもたらし現代の韓食の形態に発達するまでに至った。

 儒教の最も根本になる教えは父母に対する孝行である。それは父母が長寿するように仕えることにある。そのために養老学書や漢医薬書が多く刊行され、孝行の理念は食生活にも適用され、老人栄養学が発達した。

 婦女向けの生活指針の百科事典的な「閨閤叢書」にも老人に仕える分野を仔細に扱っている。特に「寿養叢書類輯」(1602年)は、東医宝鑑に匹敵する名鑑であるとして、中国や日本でも人気を得て、1669年に刊行されたという。

 このように儒教の父母に対する思想は、食や生活文化に多大な影響をおよぼした。

 今日に伝承されているお膳立ての規範も、朝鮮朝中期に確立したもので、通過儀礼である満1歳の誕生日(トル)、婚礼、還暦、喪礼、祭祀(チェサ)などのお膳立ての飲食と格式が定められており、日常の食膳は原則的に一人膳が基本で、家父長や客の膳から整えられた。

 庶民の食膳に定められた「飯床(パンサン)」は、3チョプから5チョプで、両班家は7チョプと9チョプになる。5チョプ以上からチゲが加わる。チョプというのは蓋のついたおかずの器を指す語で、ご飯と汁、キムチ、醤類。チゲ類は数に含まれない。王様の水刺(スラ)床は、平常時でも12チョプにジョンゴル(鍋物)とチム(蒸し煮)が添えられる。

 このように規範に準じて整えられた食膳は味はもちろん、色彩感、飲食の冷・温の配分、食材の配合、調理法などの重複が避けられ、栄養的にもバランスのよい食事になる。また、お膳立てには飯床器が使われるが、春、秋、冬は真鍮、夏には陶器を用いたほか、銀や七宝の器もある。

 今日、生活様式や食生活においても国際化の波が押し寄せているとはいえ、飲食店やホテルなどで規範を無視した配膳には唖然とする。

 多くの方々は韓国料理の品数の多さに驚く。食育の面からも栄養のバランスが考慮された韓国の伝統的な食生活や、食に対する心得(作法)が、無窮に伝わることを願う。

(2008.3.26 民団新聞)
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