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韓国の皆が応援してるよ。幸せな日が来るまで 「日中韓平和絵本」の作家も
イ・オクベ
クォン・ユンドク

■□
子供たちに未来あれ
イ・オクベ(絵本作家)

 今、日本で起こっていることは、現実の話ではないように見えます。日常の幸福を追求しながら一生懸命生きていた善良な人々が、ある日突然、巨大な波に飲み込まれていきました。

 家も自動車も村も流され、親しい隣人たちは泥の中に押し込まれてひっくり返りました。

 まるで映画の中のできごとのような映像をTVのニュースで見守った全世界の人々は、初めは驚きと残念な気持ちで見ていましたが、だんだん衝撃と恐怖感に落ち込みました。

 私は震える気持ちで日本の友人たちの安否を確認し、皆無事だという消息を聞いて安堵のため息をつきました。

 「日中韓平和絵本」プロジェクトに参加しながらつきあった日本の友人たちとの友情が、日本全体に対する関心と友好的感情に発展したことを感じることができました。 数日前、平和絵本の集まりがあって、そこで会った編集者の子どもは受験生ですが、その子どもが、「お父さん! 世の中はこんなに暗澹としているのに、勉強なんかして何になるの」と言ったそうです。

 突然の息子の言葉に立派な返事もできず、ため息だけが出たという編集者の話でしたが、それを聞いた私たちも、皆ため息をつくことしかできませんでした。

 これは、日本が体験している災難を、隣国の高校生が今、自身の問題として深刻に感じているという証拠でもあります。日本から始まった大災難は、もはや日本のことだけではない、東アジアの問題であり、全世界の問題として拡大しつつあります。

 しかし今、体験する不安と恐怖は、地震と津波のためでなく、人間文明の利器である原子力発電所によるものです。

 原子力発電は安全で平和的に使用できるという考えは、大きな錯覚だということが明らかになりました。

 大自然の災難より、貧欲な人間がもたらす被害に大きな恐れを感じます。今回の大災難に日本人たちが見せた毅然とし成熟した態度は、人類の精神の進化だという讃辞が聞かれるほど立派な姿でした。

 早く悲しみから抜けでて、勇気をもって災難を克服されるよう願います。絶望に陥った子どもたちに未来があり、平和な世界を渡すことができることを望みます。

 がんばってください、日本。

■□
復旧には節制の心で
クォン・ユンドク(絵本作家・画家)

 3月11日、黒い波が町をさらっていってしまうテレビ画面を皮切りに「東日本大震災」のニュースが流れ始めました。

 何日か前には、夢を失って自ら死を選択した福島の有機農家の話を読みました。心を込めて育てた野菜から基準値を超える放射性物質が検出されて出荷停止という措置が下され、自負心に満ちた30年の農家の人生が一瞬のうちに崩れてしまったのです。

 今、私たちを挫折させるのは、自然災害それ自体よりも、その前に露出した人間の貪欲と無知です。生命と安全を後回しにして、ひたすら利益と効率にしがみつく権力と資本、節制と寛容を知らずに消費と競争だけに埋没している個々人。

 家も人も家畜もすべて崩れ流され埋められ、やっと私たちは自らを振り返るようになりました。 私は「日中韓平和絵本」プロジェクトに参加しています。3カ国間に絡み合っていた貪欲と無知の過去を振り返って、平和と和解の新しい未来を見通すための作業です。

 日本の4人の作家たちが最初に伝えてきた平和のメッセージは、韓国と中国まで合わせて12人の作家の呼応を得ました。 それに続いて出版社と翻訳者、通訳などが加勢して、まず韓国で平和絵本が出版され、読書運動家、評論家、教師、父母、子どもの読者たちに広がっています。4月には日本でも「平和絵本」シリーズの刊行が始まります。

 絶望的であるほど、希望を夢見ていかなければなりません。世界各国の市民たちも、日本の災難を心配して被災者救援に乗り出しています。

 遠からず災難は克服されて被災者はまた立ち上がるでしょう。しかし、これは過去の単純な復旧ではなく、私たちが節制と寛容、平和と和解に向けて一歩さらに近づく過程にならなければならないでしょう。

 「平和絵本」も、その道のお供ができることを期待します。

 ソウルで、日本の被災者と同胞たちを思いながら。

(2011.4.6 民団新聞)
 

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