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米国でお披露目伝統の韓服 イ・ヨンヒさん作の16着 |
朝鮮朝時代を再現
スミソニアン博物館 本格的な韓国館
今月、米ワシントンのスミソニアン博物館に本格的な韓国館がオープンした。韓国館は同博物館2階に約30坪の規模で設置され、博物館が所蔵している朝鮮朝時代末期から現在までの衣類、装身具、工芸品、陶磁器、韓国の風習、ハングルなど3000余点の遺物が展示されている。
韓国の遺物はこれまで、スミソニアン傘下の東洋美術専門展示館「フリーアンドサクラーギャラリー」内にある韓国美術館で紹介されていたが規模は小さく、今回の韓国館での充実した内容の展示は初めてになる。
またこれらの遺物に加え韓服デザイナー、イ・ヨンヒさん(71)の作品16点も展示されることになった。博物館のアジア文化史プログラムのディレクターを務めるポール・マイケル・テイラー博士(人類学)から韓服寄贈の打診を受けたイさんは、最初12着を制作。さらに昨年はテイラー博士から「伝統的な韓服をもっと作ってほしい」との依頼で、官服と圓衫(韓国固有の女性の礼服)を2着ずつ制作して、計16着を寄贈することになった。
テイラー博士が絶賛したのは胸と背中に刺繍の入った韓服。刺繍を施した鶴は官職の地位を表し、朝鮮朝時代には平民も結婚式の礼服にこの韓服を着ることができたという。イさんは資料などを参考に、当時のまま完璧に再現した。
また新婦のチョクトゥリ(女性用冠)は宝石と真珠で飾り、チョゴリの裾には金や銀などの宝石で装飾されたサムジャクノリゲを付けた。韓国の代表的なセクトンチョゴリも展示される。
縫い方がポイントだと話すイさんは「最高級のシルクを基本に、天然染色で韓国的な美を生かし、麻、生糸、明紬など、さまざまな素材の選択により、四季を表現する韓国の伝統衣裳の多様性と創意性を強調した」と語っている。
展示の決定までには1年間、メールや電話などで意見交換を重ね、昨年秋、契約書を受け取った。韓服を手にしたテイラー博士は「こんな素晴らしい色と材質を持った服はこの世にないだろう」と絶賛したという。イさんの韓服は今後100年間、同博物館に保管、展示されるという。
(2007.5.30 民団新聞)
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