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文字の来た道、一目で…国立歴史民俗博物館
慶州南山新城碑第1碑(国立慶州博物館蔵)
「新羅飯万呂請暇解」=飯万呂なる渡来系人物が伯父の看病のために4日間の休暇を願い出た文書

 韓国と日本が古くから文字によって深くつながっていたことを示す、両国の資料約300点を紹介する国立歴史民俗博物館(千葉・佐倉市)の国際企画展示「文字がつなぐ‐古代の日本列島と朝鮮半島」が12月14日まで、同館企画展示室で開かれている。漢字は中国から直接、日本に伝わってきたのではなく、韓半島で漢字を取り入れる工夫がなされ、それが日本列島に伝わったことが韓日両国の研究によって明らかになっている。今回の企画展示は韓国の研究機関である国立中央博物館・国立文化財研究所・国立海洋文化文化財研究所との共催。

韓日の縁語る資料
石碑など300点を展示

 古代から韓半島と日本列島は、ともに中国の漢字文化を受容して、独自の文字文化を育んできた。7世紀以前の日本の漢字文化は主に韓半島諸国を介して伝わったものだ。それを示すものに、『古事記』と『日本書紀』がある。

 『古事記』では「応神朝に和邇吉師が百済から日本に渡来し、『千字文』一巻と『論語』10巻を伝えた」とされ、『日本書紀』でも、応神天皇のときに王仁(和邇吉師)が来朝し、太子の菟道稚郎子が王仁に諸典籍を学んだことが記されている。

 だが、これまでは7世紀以前の文字資料が限られていたために、学問的に検証することは容易ではなかったという。

 ところが、特に韓国では1970年代末以降、5〜7世紀の石碑や木簡が相次いで発見され、さらに90年代末からは、日本の木簡のルーツとなるような木簡が相次いで出土。日本でも近年、7世紀代の木簡が数多く発見されるようになったことを受けて、双方の研究者の間で、古代文字文化に関するさまざまな研究協力や学術交流が進められてきた。

 展示は「文字による支配」「信仰と文字」「文字と生活文化」「文字を使いこなす」「それぞれの道」の5つに区分されている。見どころも満載だ。

 591年に新羅王京南山に山城を築いた時の築城工事碑である「慶州南山新城碑第1碑」(実物)をはじめ、石碑複製や木簡などの出土遺物(実物・複製)、墓誌(複製)・王興寺出土舎利容器(複製)など、韓半島の代表的な古代文字資料が約80点展示されている。その大部分は今回、初めて日本で紹介されるものだ。

 1971年、韓国忠清南道公州市の宋山古墳群で発掘された、4600点余りの遺物の中で、特に注目が集まったのが、百済第25代王である武寧王と、その王妃の文字が刻まれた誌石だ。

 武寧王は『日本書紀』にも登場し、九州で生まれたとの伝承を持っている。王墓誌の裏面には陵域を示すとされる「干支図」が、「王妃墓誌」の裏面には王陵の土地を地神から購入したことを示す「買地券」が記されている。

韓半島で実る古代文字文化

 また、釜山の西に位置する城山山城遺跡は、新羅6世紀に築いた山城。この城山山城を築造する際、新羅の各地から輸送されてきた荷物に付けられていた荷札木簡(複製)は、560年前後のものと推定されている。

 これらの展示物は、韓半島の古代文字文化を一望できる貴重な資料だ。

 木簡はこのほかにも、竜王に雨を祈る信仰や魔除けの符号など、共通する文化が紹介されている。

 さらに、シルクロードの終着点に伝わった文書と遺物として、奈良時代に渡来した唐の僧である鑑真がもたらした写経(実物)、新羅の高僧、元暁が著述し光明皇后が所有していた新羅の経典(実物)、新羅や渤海へ遣わされた官人に関する記録(木簡、正倉院文書複製)、写経事業を担った渡来系氏族出身の写経生による直筆文書(宝庫外正倉院文書、実物)、日本に渡来した唐人の名前が記された墨書土器(実物)なども展示されている。

 文字にはさまざまな書体があるが、空海は『古今文字讃』と称されるさまざまな書体を紹介した書物を唐から持ち帰り、嵯峨天皇に献上した。今まで書名のみが知られていたが、近年、その写本が紹介され研究が進められているという。

 日本では9世紀にひらがなが生まれた。今展では、藤原良相邸跡出土の仮名墨書土器『伏見院宸翰源氏物語抜書』などのひらがななども紹介している。

 9時半〜16時半開館。11月4・10・17・25日、12月1・8日休館。一般830円、高校生・大学生450円、小・中学生無料(高校生は毎週土曜日無料)。

 問い合わせは(03・5777・8600)。詳細はれきはくホームページ(http://www.rekihaku.ac.jp)。

(2014.10.29 民団新聞)
 

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