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<コラム・布帳馬車>私にできる何かを

 都会の風は、私に優しくはない。強く、激しく、私を根こそぎ吹き飛ばすようだ。

 数年ぶりに戻ってきた東京は相変わらずで、一歩外に出れば人が溢れていて、それが逆に、私の中に孤独感を募らせる。

 立ち並ぶ街路樹に、かえって窮屈さを覚えてみたりもする。しかし、思い切り呼吸ができなくとも、木々は逞しく育っている。なんだか最近読んだ「夜を賭けて」に出てきた、在日の主人公たちの逞しさを感じさせる。

 こんな思いに駆られてしまうあたり、やっぱり少し、都会の風にあてられているのかもしれない。

 最愛の父が他界して、早や2年。身近な人の『死』というものに直面するとどうしても考える、『生』の意味。生まれて来たわけ、生きていく理由、私が『在日韓国人』である、意味。この街で私に出来ることには、一体何があるのだろうか。

 溢れる人の波に溺れてしまいそうな、埋もれてしまいそうな恐怖に襲われても、それでも、見上げれば今日も空は青い。

 生まれ育ったあの街も、韓国も、みんな晴れていればいい。そうだったらいい。そんな事を、ふと、思った。

 「国際的な人間になれ」と、父は常々私に言った。「お前は韓国も、日本も、両方を持っているのだから、偏ることなく両方を生かせ」と。父が願った祖国統一と、在日同胞たちの幸福。

 私にできる何かを、見つけたい。それは偶然、目の前に現れるものでないとすれば、溢れる人の波にもまれるほかない。(I)

(2005.12.14 民団新聞)
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