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韓国の「ミスター全経連」と呼ばれた著者が、今日世界第12位の経済大国にのし上がった韓国経済の足跡をたどった1冊。解放後、信託統治反対の立場をとったために公安当局に連行された著者は、自由が抑圧されている北韓に絶望し、韓国戦争勃発を機に38度線を越えた。
国連軍の教育放送の仕事で米軍大佐と知り合った縁で、54年に米国留学の機会を与えられた。北韓では貧困ゆえに勉学の機会が奪われてきたが、一転して長年あこがれていた学問に没頭する生活に。その後、英国にも渡り、両国で政治、経済、財政学などを学んだ。59年に帰国後、張勉内閣が推進する3カ年経済開発計画の財政担当になったのも、この時の勉強が土台になっているという。
60年代前半の韓国は、経済競争で北韓に遅れをとっていた。当時の金永善財務長官によれば、「基幹産業施設は9対1」と圧倒的に韓国が劣勢だった。北に追いつき追い越すことを至上課題に、長期経済発展計画が打ち出された。 その後、「漢江の奇跡」などを経て韓国は躍進し、北韓は転落していった。その違いは、経済難局の打開と経済の近代化をめざし、太白山の石炭開発にともなう鉄道敷設に賭けた経済人や、60年代に設立された諸経済団体の活動が担保になっていることを検証している。
(金立三著、晩聲社2000円+税)
03(5283)3721
(2007.4.25 民団新聞)
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