韓国の2013年経常収支黒字額は707億3000万ドル(暫定集計)と、過去最高だった。12年の480億8000万ドルに比べて47・2%も増えた。韓国銀行が1月29日発表した。 経常黒字をけん引したのが貿易収支。輸出が5709億2000万ドル、輸入が5102億1000万ドルで 貿易黒字額は607億1000万ドルにのぼった。旅行や特許使用料などを示すサービス収支が60億ドル、投資にともなう利子や配当を差し引いた所得収支が48億ドルの黒字だった。主に途上国支援を示す経常移転収支は7億9000万ドルの赤字となった。 昨年の経常黒字は、国内総生産(GDP)の約6%を占める。この数字は、ドイツや中国とともに、世界の上位圏だ。経常黒字が16年連続に加えて、外貨準備高が3483億ドル(1月末現在)を超し、過去最高を更新中だ。対外債務は12年末の4094億ドルから4110億ドルへと多少増えたものの、短期外債比率が31・1%から27・1%に減少し、健全性が改善された。外国人投資家が韓国経済を高く評価する理由だ。 今後の景気の動きを示す景気先行指数も、前月より0・5ポイント上がり、3カ月連続で上昇している。韓国政府は昨年第4四半期(10〜12月)以降、経済が本格的な回復に向かったと判断している。 米連邦公開市場委員会(FOMC)が追加的な量的緩和縮小の動きを示したことで、新興国に金融危機の兆しが見える中、経常黒字の拡大が韓国経済を下支えする役割を果たしている。 資本市場研究院のチュ・ヒョンス研究委員は「韓国は経常黒字が堅調なことから、新興国との違いがさらに際立ちそうだ」と分析した。一部で不況型黒字との指摘があったが、過去最高の経常黒字額はそういう見方を覆すものといえよう。韓国政府関係者は「FOMCの決定は韓国政府の予想範囲内。現在の状況からすると、韓国経済に及ぼす影響は大きくないだろう」と見通した。 ■□ 「韓国の展望明るい」 英キャピタルエコノミクス評価 英市場調査会社キャピタルエコノミクスは1月24日、新興国56カ国について金融危機の度合いを5グループに分類し、韓国を最も安全なグループにあげた。 最も脆弱な第一グループが、アルゼンチンやウクライナ、ベネズエラ。ポピュリズム(大衆迎合主義)の経済政策や貧弱な外貨準備高により、自ら経済危機を招いているとの指摘だ。 第2グループが、信用バブルや大規模な経常赤字により、短期対外債務の返済などに苦しむトルコや南アフリカ、インドネシア、タイ、チリ、ペルーだ。 3番目が、「遺産の危険」に苦しむハンガリー、ルーマニア、ブルガリアの東欧3カ国。長く続いた共産主義体制により、自国の銀行システム自体が脆弱だ。 4番目が、一時、高い成長率で「世界の成長エンジン」と脚光を浴びたものの、最近は勢いが減速したブラジル、ロシア、インド、中国の、いわゆる「BRICs(ブリックス)」。 世界経済に占める割合は27%に上るが、原材料や労働集約的低価格製品の輸出を中心とする成長モデルの限界にぶつかっている。強力な経済改革が必要とされる。 最後の第5グループは、今年から来年にかけて成長見込みの明るい、韓国とフィリピン、メキシコ、チェコの4カ国。 キャピタルエコノミクスの関係者は「新興国間でこれほど大きな差が出たことはなく、各国の状況に大きなバラツキがある」と指摘する。 (2014.2.12 民団新聞) |