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韓食の「愛」広げたい…夢へ着々、趙善玉料理研究院院長
夢を語る趙善玉さん
定価1800円+税。問い合わせはHANA出版社(TEL03・6909・9380)

 趙善玉料理研究院(東京・新宿区)の院長、趙善玉さん(韓国全羅北道出身)はこのほど、同院で学びながら韓国料理研究家や研究家を目指す人たちで構成される「韓パラム」のメンバーたちと新刊『トッポギ料理100』をHANA出版から刊行した。弟子たちとの共作本は初めて。弟子たちをプロとして育てるこれまでの活動に加え、社団法人日韓農水産食文化協会(新宿区歌舞伎町)の初代会長としては、専門知識を身につけた韓食ソムリエの育成にも力を注いでいる。

弟子の自立を後押し
共作で「トッポギ」レシピ本

 トッポッキを使ったオリジナル料理を披露したのは日本人、韓国人、在日の弟子12人。韓国、日本、イタリア風もあれば、大胆な発想のデザートまで多彩な内容だ。趙さんはトッポッキの基礎知識をはじめ、30種類を紹介している。

 5年前、日本の食品会社からトッポッキを使った料理の開発を依頼された。約20種を開発して試食会もしたが「その時代はまだ、日本でトッポッキが知られておらず、商品化するには至らなかった」。そのレシピは後に、料理講座で活用してきたという。

 共作本ではあるが、弟子たちにとってはデビュー本になる。表に出す場を作ってあげたかった。だが、多くの弟子たちは修行の身。韓国料理本を出すには早すぎる。「でも、トッポッキならそれぞれの国の料理にアレンジできると思った」

 趙さんは出版までの1年間、一人ひとりにレシピを提出させ、アドバイスしながら何度も試作を繰り返した。工夫を凝らした料理でも、共通するのは韓国料理の基本を守ってアレンジした点だ。「どんな料理にアレンジしても基本を知らない人は、それは料理ではないと言ってきた」

 現在、趙さんの弟子は約25人。9割を占める日本人たちへの思いがある。「ここは日本です。日本の舞台で日本人が韓国料理を教えるようになったら、裾野がどんどん広がっていくんです。だから弟子たちが自立して、韓国料理の普及に努めてくれたら嬉しい」

ソムリエ資格初めて試験も

 趙さんは4月に発足した日韓農水産食文化協会の初代会長に就任した。7月には同協会主催の「第1回韓食ソムリエ資格試験」を実施した。韓国料理に興味のある人を対象にした4級から、プロ認定となる上位資格の1級まで4段階。調理理論、料理実習、筆記などの試験があり、来年から定期的に実施する。現在、理論や、110点のレシピ、実技内容などを盛り込んだ各級別『検定対策本』を制作中で、来年2月、HANA出版から発売される予定。

 この試験は韓国政府公認ではないが、今後、実績を重ねて認定を得られるように働きかけていくという。「これから韓食ソムリエを広めていく中で、職業の一つとしてきちんと成り立つように力をつけ、日本や韓国の方々に韓食ソムリエがどんなに素晴らしいことかを分かってもらえるようにしたい」

 趙さんは、全国各地で開催する料理教室、各種イベントでの料理提供や講演会などもこなす。「韓国料理というのは、そのものが愛です。その愛を込めていろいろな方と縁を作ったら、さよならはできない。皆さん、待っていてくれるんです。だから止められない」。韓国料理の普及にパワー全開で取り組む。

 03年、東京・六本木で韓国料理薬膳レストランを経営していた時、夫から「レストランではなく、韓国の愛や文化を教える韓国料理の先生になったら」と勧められた。当時は社長という立場。仕事も順調だった。

 夫の言葉を受けて1年近く悩んだ。「先生になると主人に告げたら、先生はお金儲けをしたらだめ、貧乏であることが本当の先生」だと言われた。「先生になって本当に貧乏になりました。なぜって、先生って儲かるよりあげることの方が多いからです。主人の言葉はぴったりだなと思います」とにこやかだ。

私のすべてをつなげていく

 今後、弟子たちといろいろな料理本を出版していくことは一つの夢。「私のすべてを弟子たちにつなげてあげたい。愛を全部あげるためには、私もパワーがなければならない。そのパワーを全部あげたら私は裏方に回り、弟子たちの頑張っている姿を見守りたいと思っています」

読者プレゼント

 『トッポギ料理100』を読者5人にプレゼントします。ハガキに郵便番号、住所、氏名、年齢、電話番号、幣紙の感想を記入のうえ、〒106―8585 東京都港区南麻布1―7―32  民団新聞社「トッポギ料理100」プレゼント係。12月5日必着。当選者のみ郵送。

(2013.11.20 民団新聞)
 

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