地方本部 HP 記事検索
特集 | 社会・地域 | 同胞生活 | 本国関係 | スポーツ | 韓国エンタメ | 文化・芸能 | 生活相談Q&A | 本部・支部
Home > ニュース > 文化・芸能
私の念賀状
 本紙読者の皆様におかれましては、健やかに新春をお迎えのことと存じます。

 本紙は昨年、膨大な郵送経費が民団本体の財政を圧迫している現状を訴え、読者皆様の後押しを賜りたく、年間1口3000円の「郵送協力金」をお願いしたところ、多くの方々から振り込みを激励の言葉とともに頂戴しました。関係者一同、日々感激を新たに業務に励んできました。この場をかりて改めて感謝申し上げるしだいです。

 さて、本紙が昨年末の紙上で「私の念賀状」を募集したところ、多くの応募をいただきました。紙面の都合上、掲載を見送らざるを得なかった方々には、ご容赦のほどお願いします。

 本紙は民団の機関紙として、さらには在日同胞社会のオピニオン紙として、いっそうの精進をする決意です。

 読者皆様にとって、今年が実り多き1年となりますよう祈念します。

民団新聞社 社員一同

■□
ソウルの娘 マリアへ

 ソウルに住んで半年が過ぎましたね。

 2010年は私の干支の「トラ」です。としおんなの私に、マリアは孫をプレゼントしてくれるのですね。

 あなたが韓国の男性と結婚し、ソウルの街に移住したとき、幸せな気分でいっぱいでした。インド、中国はもとより、朝鮮半島から伝わった文化・技術のおかげで、今の日本が支えられていることを忘れないで生活してください。

 私はアンネ・フランクが大好きなのです。それは彼女が、人種や宗教や言語は対立するものではなく、理解しあうものだと説いているからです。

 この春に生まれてくる2人の赤ちゃんが日本と韓国の架け橋になってくれることを望んでいます。

坂田あけみ(47) 兵庫県

■□
日本国国会御中

 永住外国人に地方参政権を付与するよう、そろそろ覚悟を決めたらいかがでしょう。各種世論調査でも、「GO!」のサインが出ているではありませんか。

 一部には「もっと慎重な論議を」などと実質反対の論陣もありますが、付与方案が最初に提出されたのは98年です。その慎重な論議をすでに10数年続けていることになりませんか。

 反対派の皆さんを見ていると、人間中心の宇宙観である天動説にしがみついた、往時の人々の姿と変わらないように思えます。参政権問題は先進国に多くの先例があり、コペルニクス的転回と言うほどのものではないのに。

 理屈をこねくり回わして重箱の隅を突っつく「小心な日本」は見たくありません。重そうな扉を開けてみれば、川端康成の『雪国』の冒頭とは逆に、「国境の長いトンネルを抜けると青空だった」となるはずですよ。

新井康明(51) 静岡県

■□
心医 許浚先生様

 先生が『東医宝鑑』を完成されて今年で400年です。夫の遺志を継いで04年に『小説・ホジュン』を出版した瞬間から、この年が来るのを待ちわびていました。私は完成400年記念シンポジウムを11月、名古屋で開きます。

 また、初版本刊行から400年に当たる2013年には、韓医学研究の若きスタッフたちが中心となって、韓国で「東医宝鑑世界伝統医薬エキスポ大会」を開催します。『東医宝鑑』の世界化を目指す英語版の完成も間近いようです。

 私はこのスタッフたちの取り組みを日本の若者に伝えるメッセンジャーとなり、日本でもっと多くの「ホジュン友だち」をつくるつもりです。先生、私たちを見守ってください。

中澤俊子 東京都

■□
世宗大王陛下に捧ぐ

 昨年はインドネシアの少数民族、チアチア族に文字を提供されました。世界に推定で5600余種ある言語のうち、文字にできる言語はわずか40余に過ぎないと言われます。ユネスコには識字率向上に功のあった人に贈る「世宗大王賞」がありますが、ハングルが活躍する場はさらに広がるのでしょうか。

 ところで、チアチア族が取り入れたのは今現在のハングルではなく、創製当時の「訓民正音」とのことです。「訓民正音」は世宗大王が中国語、日本語、満州語、モンゴル語など、あらゆる発音に対応できるように、新たな子音母音を創案したと教えられました。

 実に壮大で柔軟な発想ですね。使い勝手よく変わって来たハングルですが、我が民族はその源を忘れず、大王の創意に学んで狭い民族主義に陥ることなく、これからの世界を生きて行くようお導きください。

梁仁淑(47) 京都府


■□
天上のアボ二ム

 アボジはなぜ祖国に帰りたい気持ちを私たちに話さなかったのでしょうか。全州李氏の多くは国本を名乗っていたのに、アボジはなぜ福田三郎を名乗り、その後何のために雲田丙柱に変えたのでしょうか。

 やりたかったウリマルの勉強を始めて、色々なことを考えるようになりました。今はハングルで詩を書き、朝鮮王朝実録を日本語にする作業を、70の手習いで始めたパソコンを使ってやっています。

 今年は姉妹3人で、アボジとオモニの故郷を訪ねるつもりです。18歳のときたった一人で後にし、一度も帰らなかったのですね。アボジがなくなった後、オモニが探し当てた故郷の人々は、どんなにアボジの帰りを待っていたことでしょう。

 アボジ、私たちと一緒に帰りましょう。

李美代子(69) 大阪府

■□
花咲く在日の種に

 1940年に京都で生まれ、京都で育ち、物心がついた5〜6歳の頃は防空壕に身を潜め、18〜19歳の青春は北へ「帰国」する仲良し友達と別れました。

 その頃の人生って、涙の種と苦しみの種で、限界でした。6人の子どもに恵まれ、悩みに悩んでやっとの思いで、いい仕事の種を見つけました。人生での永い種がやっと笑いの花、感動の花を咲かせ、どんなに嬉しかったことか。

 これからも、在日が南北統一の種を蒔き続け、約束の花を咲かせることを祈ります。世界に輝く花を咲かせましょう。

金輝子(70)韓国料理研究家 兵庫県

■□
「東洋平和論」百年に

 本年は、思い出すたびに恥ずかしくもあり、悔しくもある「併合」100年の年です。しかしまた、安重根先生が東アジアの団結を訴えた「東洋平和論」を遺されてから、ちょうど100年になる年ですね。昨年、鳩山首相が「東アジア共同体」論を打ち出したことを、私は大変興味深く思いました。

 2010年は、在日の地方参政権獲得元年になると同時に、先生の遺言が実現へ向かう初年になるような予感がします。友人たちはドンキホーテのようだと笑いますが、何事も前向きな信念が可能性を開くと思っています。

 先生もどうか、遠い空から念じていてください。

尹達世(64) 兵庫県

■□
孫の母 娘たちへ

 日本人の婿ばかりで、可愛い孫たちが韓国籍でないのは残念だが、お前たちが私の近くに居を構えてくれたおかげで、よく遊びに来てくれるのが嬉しい。先方には悪いが、孫争奪の韓日戦では完全勝利と思っている。

 小学生になった二人は、焼肉やチジミ、辛味を抑えたキムチチゲなどに目がないね。「変なの!」などと言いながら、ハングルにも興味を見せてきたぞ。「アンニョンハセヨ」「コマスミダ」も教えたよ。

 ただ、私のこと「ジィージ」と呼ぶのはそろそろやめにして欲しい。きちんと「ハラボジ」と言わせるように。それと、必ずオリニ・ジャンボリーに参加させること。私が自分で言うのは気恥ずかしいのだ。

呉光道(64) 神奈川県

■□
在米のチングよ

 羽田空港から飛び立ってから35年―。日本には二度と戻らないとの決意から、「再入国」は取らずに出発した。悲壮な覚悟のはずなのに、あの日の笑顔が今も忘れられない。

 渡米後、一度だけ手紙が届いた。様々な人種、民族がひしめくカリフォルニアでは、コリアンやジャパニーズは同じ人間にしか見られず、すぐ仲良くなる、日本にいた時の《犬猿の仲》は何だったのかと、書いていたね。

 チングよ。今や日本も韓流の時代だ。大きく様変わりした。ぜひ一度、遊びに来いよ。在りし日を肴に酌み交わそうじゃないか。

宋仁泰(65) 群馬県

■□
感謝状、張本勲貴下

 昭和のプロ野球が熱い時代、大きな業績を残した張本選手。左手に傷を負い、差別のなかで治療も拒否されたことがあるという。「どんな辛いことがあっても、常に韓国人の誇りを持って、決して愛国心を忘れてはいけない」というオモニの言葉を守り、心身を鍛錬した賜物でした。

 「心のなかでは日本人を許していない」と言い続けるほどの苦しみと、ハンディを不屈の精神で乗り越えた姿は、私たちの世代の同胞に差別に打ち勝ち、生きる希望と勇気を与えてくれました。感謝の気持ちを今も忘れません。

李登龍(64) 愛知県

■□

オモニの信念 今も


 「信念」あけましておめでとうございます。

 私が毎年新年の冒頭に掲げる言葉です。

 あなたが昔住んでいた家のテレビの上の額縁にあった色紙の言葉です。「信念でつらぬけば幸福が来る」(サトウハチロウ作)だったと思います。あなたは母親というより、祖国や先祖を思い続けていた「オモニ」でした。

 あなたが亡くなって9年が過ぎました。私も50歳を過ぎ、孔子の言う「天命」を知る歳になりました。

 今年も冒頭の言葉を掲げます。

裴正秀(51) 兵庫県

■□
忘れがたき人々へ

 喜寿を越し老いて行く侘しい昨今、人と人との絆を繋ぎとめる年に一度の慣しのような年賀状が心を新たにし、温もりを与えてくれるものとなりました。

 悠遠に流れた歳月、タヒャンサリ(他郷暮らし)60余年。追憶をたどり思うに、非才非力を恥じながら歩む道は、昼が短く夜が長いのが辛いのです。

 後の世に笑われないよう素直な心で、毎日毎日、知遇の江湖諸賢を敬慕し、今年も精進致したく存じます。

 ご指導ご庇護賜りますよう、そして何よりも、ご尊台のご健康とご多幸をお祈り申し上げます。

高権錫 東京都

(2009.12.23 民団新聞)
最も多く読まれているニュース
差別禁止条例制定をめざす…在日...
 在日韓国人法曹フォーラム(李宇海会長)は7日、都内のホテルで第6回定時会員総会を開いた。会員21人の出席で成立。17年度の報告があ...
偏見と蔑視に抗って…高麗博物館...
 韓日交流史をテーマとする高麗博物館(東京・新宿区大久保)で企画展「在日韓国・朝鮮人の戦後」が始まった。厳しい偏見と蔑視に負けず、今...
韓商連統合2年、安定軌道に…新...
金光一氏は名誉会長に 一般社団法人在日韓国商工会議所(金光一会長)の第56期定期総会が13日、都内で開かれた。定数156人全員(委任...
その他の文化・芸能ニュース
韓国伝統の4山寺…世界文化...
3寺は見送り 韓国が世界文化遺産への登録を申請していた「韓国の伝統山寺」7寺について、登録の可否を事前審査する国連教育科学文化機...
韓国の手仕事を味わう…ポジ...
 ポジャギ工房koe(兵庫・神戸市)が2年ごとに開催する「韓国の手仕事 ポジャギ〜繋in東京2018」が10日〜15日まで、東京...
韓国麺料理ガイド…観光公社...
 韓国観光公社大阪支社ではこのほど、韓国のご当地を代表する麺料理の由来や特徴、有名店、関連観光地などを紹介する「韓国麺BOOK」...

MINDAN All Rights Reserved.