北韓の反人道主義犯罪を調査中の国連北韓人権調査委員会(COI)のマイケル・カービー委員長(豪州)は10月29日、ニューヨークの国連本部で開かれた国連総会第3委員会で中間報告を行い、「北韓で大規模で深刻な人権侵害が続いていると確信する」と強調した。 カービー委員長は「北韓の人権実態をより一層正確に把握するためには中国と北韓に対する訪問が実現しなければならない」と主張した。 同委員長は韓国、日本、タイ、英国で直接会った脱北者の証言とこれまでの調査および公聴会を総合するなら、北韓で広範囲な人権侵害があり、現在も行われていると確信すると再度強調。「民間人の慢性的栄養失調が悪化し、政治的抑圧も拡大している」と訴え、国際社会に改善へ協力を求めた同委員長は、「来年3月の公式報告書には北韓に対して国際社会が取るべき措置が盛り込まれる」と付け加えた。 これと関連して、同委員長は最近の記者会見で、北韓の人権侵害責任者を国際刑事裁判所(ICC)に回付する方案を法律専門家たちと検討中だと明らかにしている。 この日の委員会で北韓側代表は「委員会の任務と活動状況を認めることはできない。国連がありもしない(北韓)人権問題を政治争点化している」と主張。「(北韓には)いかなる人権侵害もない」と強弁した。 豪州最高裁判事出身でカンボジア人権問題担当国連事務総長特別代表などを歴任したカービー委員長は、報告後の記者会見で「35年間判事を勤め、その間数多くの胸の痛む事例を見聞きしてきたが、今回の北韓人権調査ほど私に涙を流させる証言はなかった」とし、「委員会が調査活動の過程で接した数多くの証言を聴いて涙を流さないならば、木石と違わない」と表明した。 (2013.11.6 民団新聞) |